「パラパラ漫画の良さは大いに認めるが」家族のはなし AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
パラパラ漫画の良さは大いに認めるが
鉄拳のパラパラ漫画といえば、MUSEの曲をBGMに使って話題になった「振り子」に泣いたし、本作も彼のパラパラ漫画が原作とのことで期待したのだが…。
アートディレクターとして参加した鉄拳がどの程度関与したのかわからないが、パラパラ漫画を意識しすぎというか、頼りすぎてしまった気がする。現在と回想をつなぐ効果にパラパラ漫画をはさむのも繰り返されるうちに飽きてくるし、ラストに元のパラパラ漫画をそのまま見せるというやり方も、なんだか実写のストーリーテリングで観客を感動させることを放棄したかのように思われて残念だった。
俳優陣の演技が光る場面もあるのだが、演出不足なのか、会話が生きていないシーンが散見された。台詞がどこか嘘くさかったり、方言がわざとらしかったり。ストーリー自体はオーソドックスながら味のある良い話だし、鉄拳のパラパラ漫画も好きなのに、魅力を活かしきれていないのが惜しい。
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