「フランス流『家族の絆』♥」ともしび マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
フランス流『家族の絆』♥
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変態オヤジはいてもいなくとも良かったが、馬鹿犬と馬鹿息子が必要なので、変態オヤジの痕跡としてオヤジ、犬、息子は置かざるを得ない。それでも、電球を代えた段階でオヤジの役目は終わり。彼を目の前に会話も無ければ、バックミュージックすら無い。この状況では
老いを感ぜざるを得ない。勿論、共有する者もいない孤独。
さて、これからどうする。
ゆりの雄しべをむしり取る動作はひょっとすると爺さんに対する腹いせか?
電車の中は、会話の出来る相手がいない。しかし、世の中が変わったのでは無く、自分が老いた事を痛感する。
それでも、女性は一人で生きる事だけは受け入れている。
さて、さて、どうする。
自宅を出て、ガキどもが階段を上がって来る。プールの時と同じ。頑張ってもガキどもとのスピードが合わない。でも、割とすんなり見過ごして彼女は一人降りていく。しかし、
打ち上げられたクジラを見て涙ぐむ。この情景を目の当たりにしては、もはや感情のコントロール出来ない。だから、最後に階段を女性としてヒールを響かせながら、しっかりとした足取りで降りていく。
『大丈夫だ』と確認出来た。
勇気が貰える。
犬(フィンからオリバーへ)はオス犬だと確信している。
傑作だ。素晴らしい階段落ちだ。
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