劇場公開日 2019年2月2日

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「テネットと同じく回文になった名前HANNAH」ともしび kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5テネットと同じく回文になった名前HANNAH

2020年9月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 与えられた情報量の少なさから、アンナの日常を事細かにチェックしなければならない。多分実年齢と同じ70歳くらいの役柄だろうか、行動力だけみるとそれほど衰えてもいない。

 演劇クラブ、ジムのプール、そしてエレーナと盲目の息子のいる豪邸での家政婦、自宅では愛犬フィンとの生活というルーチンとなった日常生活。しかし、夫は何かの罪で刑務所へと収監されることとなり、年齢的にも一緒に暮らせない仲となりつつある。

 結局はその罪のおかげで息子ミシェルからも嫌われ、孫のシャルリーとも会えなくなってしまった。おそらくは夫が死ぬまで疎遠となることだろう。映画の中では愛する孫、家政婦先の盲目の二コラ、そして多分夫の被害者である子どもニコラという3人の幼き子どもの対比。プラスして、アパートの階上に住むやんちゃな子どもまでいる。

 徐々に生活にも綻びが見え始める様子が痛々しい。ジムの会員証が無効となり、地下鉄での名も知らぬ青年のパフォーマンスを見つめるアンナ、打ち上げられたクジラの無残な姿、すべてが虚無感に満ちてくるのです。さらには愛犬家としては泣けてくるような・・・

 そんな悲しみに包まれる人生のともしびとも言える時間と空間ではあったけど、小学校での楽し気なシャルリーを遠くから見守ったり、家政婦先のエレーヌの輝きにも幸せを見出している気もした。人生の終焉、それでも幸せに余生を送りたい。何か希望が見いだせれば・・・と、そう遠くない自分に置き換えてもみた。

kossy
2023年11月18日

人生の終焉ですね。
共感します。

アンドロイド爺さん♥️