劇場公開日 2018年12月22日

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「老いについて考えさせられるロードムービー」家(うち)へ帰ろう よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0老いについて考えさせられるロードムービー

2019年1月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

アルゼンチンで仕立て屋を営んでいた老人アブラムは一線を退き高齢者施設へ行くことになっていたが、引退前の仕立てた最後のスーツを持って家族に内緒でこっそり家を出る。彼はポーランドからのユダヤ系移民で、そのスーツは収容所から命からがら脱走したアブラムを匿ってくれた親友との約束で仕立てたものだった。アブラムは存命かどうかもわからない友人にスーツを渡すべくポーランドを目指すがその旅は思いのほか過酷なものだった。

こんな邦題なのでほのぼのした物語を勝手に想像していましたが、結構ヘビーなお話。凄惨な過去を背負った老人がトラウマと向き合いながら旅先で出会う人々と心を通わせる中で現実を受け入れていく様を見つめる映像は美しく、やがて自分にも襲いかかってくる老いというものを深く考えさせられる作品でした。3周り年上の老人が主人公なのに我が身のように沁みるのは監督のパブロ・ソラルスがほぼほぼ同い年だからかも。自分も一線退いたところでこんな人の優しさに触れる旅をしてみたいと思いました。

よね