「SF(ちょっと不思議)からのダークファンタジー?」ペンギン・ハイウェイ サブレさんの映画レビュー(感想・評価)
SF(ちょっと不思議)からのダークファンタジー?
序盤の印象はかなりの骨太SF。後半の印象はダークファンタジー。予告を見た段階では、こんな映画だとは全く思わなかった。いい意味で予想を裏切られて大満足。
まず、主人公の少年がよい。研究調査というものに対してものすごく紳士的である。事象を調べ、名前を付け、ノートにまとめ、考察を繰り返す。正直、冒頭のモノローグで「僕がどのくらい偉くなるのか予想もつかないのである」などと聞いたときは、小生意気なガキが主人公かよ~と辟易したが、なかなかどうして評価にたがわず賢いではないか。まあ、小生意気ではあったけれど。
もう一人の主人公、お姉さんはずっと違和感だらけの存在だった。が、それゆえに前半のSF設定が活き、後半のダークファンタジーへときれいにつながった気がする。結局お姉さんが何だったのかはわからずじまいだったが、最近こういう「理由はよくわからないが、確かに怪異があった」という話にはまっているので、俺はとても楽しめた。
全体の印象としては…子供向けかと思いきや、研究についてのいろはや数学のトポロジー、ダークファンタジーに精通していると、物語に一本通った芯の太さに大いに驚く。芯は「ペンギン・ハイウェイ」、その芯を修飾するのがこれらの要素だ。はまる人ははまりそうだが、はまらない人は単なる子供向けだと思ってしまうのではないだろうか。
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