「二律背反の窮屈さからグレーゾーンへの脱出!」ブリグズビー・ベア バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
二律背反の窮屈さからグレーゾーンへの脱出!
幼児誘拐と拉致監禁、本来ならものすごくどんよりするテーマだが、尾の映画はふんわりと優しいコメディ仕上げ。しかし決してキレイごとではない。
善か悪か、本物か偽物か、現実かファンタジーか。二者択一するにはこの世界は複雑で曖昧に過ぎるし、ムリに切り分けるとこぼれ落ちてしまう大切なことがいっぱいある。この映画は、そんな二律背反の堅苦しさから、キャラクターを、映画を、人生を解き放ってくれる。
清濁併せ吞む、というほど大仰でなく、ただ目の前のできること、やりたいことを積み上げていけば、幸せは見つかるのではないか。
もちろん現実はこの映画よりどす黒く、汚いかも知れないが、この映画程度のささやかな善意や希望は望んでもいいのではないか。
ネタバレが怖くて曖昧なことしか書いていませんが、本物の「いい映画」に出会えて本当に嬉しい。
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