「「作り物」が「本物」になる」雪の華 ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
「作り物」が「本物」になる
予告編で「雪の華」のエモーショナルな歌声を繰り返し聞かされて、悲しい物語だと勝手に思って見たのですが、いい意味で裏切られました。余命少ない女性の恋物語と言えば、号泣ものの悲劇になりそうですが、見終わってとても温かな気持ちになりました。やがて彼女がいなくなるという現実があるにしても、今の幸せに感謝しようという明るいメッセージになっている。結末へ導いていく岡田惠和の脚本がとてもいい。少女マンガのような展開だと批判されるかもしれないが、あまりひねらずに二人の心情をストレートに丁寧に描いていることに共感できる。一つ一つのシーンをステップを踏むように積み重ねていって、フィンランドとオーロラという劇的なシーンにたどり着くところも見事である。
中条あやみはとても「今にも死にそうな女の子」には見えないが、彼女の力量は十分発揮された。いい映画がなかなかヒットにはつながらないですが、多くの人に見てほしいと思います。
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