「美しいものだけが見られるファンタジー」雪の華 わたなべさんさんの映画レビュー(感想・評価)
美しいものだけが見られるファンタジー
まず、この映画につじつまが〜とか100万円て〜とかリアリティーが〜とか言う奴は野暮。そいつはこの映画に向いてなかった、本質が見えなかった。それだけのことだ。だってこれは恋愛映画でありファンタジーなのだ。
お前はゴジラを見て「ゴジラなんて実在しないからリアリティがない」と言うのか。言わないだろ。それぐらいの感じである。
そして、余命ものは…とか言ってるのも野暮。
これは中条あやみちゃん演じる美雪が死んじゃう話じゃなくて、残された余命の中でどれだけ精一杯生きられるか、の『生きる』物語なのだ。
悲しさはあるが、それは悲壮感ではない。余命が1年だろうが50年だろうが、美雪ほど懸命に生きて、人を愛して、人に愛されたらそれは『幸福』だ。
悠輔の不器用ながらもさらっと見せる彼氏感が『少女漫画かよ!?』と思わずにはいられないだけど、いいんだよ少女漫画なんだから。
それを登坂さんが違和感なく具現化してたのも良かったし、二人ともとにかく可愛かったの一言に尽きる。
ラスト、エンドロールでの美雪の台詞に「うん」も「当たり前だろ」も言わずにただ美雪を抱き締める悠輔の表情(すげぇいい)(意味わからんぐらい「愛しい」って顔してる)に、死ぬまでってきっと美雪がとかじゃなく悠輔が死ぬまでなんだろうなって思って素直に泣きました。
ファンタジーと仰っていますが、一体どの辺がファンタジーなのでしょうか?
解るように説明してほしいです。
ゴジラみたいに存在しない生物が出てくるわけでも無いのにゴジラと比較するのは見当違いかと