サタデー・フィクションのレビュー・感想・評価
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登場人物、みんなスパイ
アウトレイジ的な。恋人との絡みは舞台上なのかプライベートなのか困惑。わざと曖昧に見せている。それに繋がる舞台とスパイ同士の攻防が繰り広げられるクライマックス。巻き込まれた客はたまったもんじゃない。スパイも人間。まともな暮らしができなかった彼女の数奇な人生に同情する。
歴史の影のスパイたち
2019年製作でもともとは2020年公開予定だったがコロナ流行で延期となり、中国本国では2021年に、そして日本では2023年になってようやく公開された。
いやぁ、面白かった。主要人物のほとんどが裏の顔を隠してお互いに接触し、またその一方でその裏の顔を見破り、そのまた裏をかく虚々実々の駆け引きが描かれる。全編モノクロの映画でロングショットも多いため若干見にくいところもあるし、現実世界と劇中劇の境界線を意図的に曖昧にしているところがあったり、結末付近に解釈の難しい謎の部分も残したりしているため、きれいにすっきりとわかるタイプの映画ではない。そもそも監督がロウ・イエなんだから娯楽映画ではなくアート映画であって、あえて言えば娯楽映画寄りのアート映画というか、アート映画寄りの娯楽映画というか、そんな感じ。
「歴史」を感じさせる仕掛けも上手く、舞台となる蘭心大劇場は実在の劇場で他にも上海には当時の建築物が多く残されているらしく、それらの場所でロケが行われていることが映画の歴史的臨場感を高めている。また主人公の逃亡先の候補として香港やアントワープが挙げられるが、後の歴史を知る者にはいずれもやがて日独の手に落ちる場所だということがわかっている。一方で劇中の人物たちは当然そのような先の歴史は知らないわけで、そのような先の見えない中で彼らはその時その時を必死に生きていたのだということを強く感じさせる作劇も上手い。
中欧日の各人物の描き分けも素晴らしく、コン・リー、マーク・チャオ、オダギリジョー、パスカル・グレゴリー、トム・ヴラシア、ホァン・シャンリー、中島歩、ワン・チュアンジュン、チャン・ソンウェンら名優たちの演技によってそれぞれが血肉を持った人物像になっている。群像劇要素の強い映画だが、そんな名優たちの中でも登場すると一気に観客の耳目を惹き付ける主演のコン・リーの華というか演技力というかその存在感よ。もちろんロウ・イエの演出力も間違いなくあるのだが、やはりこの人は特別な俳優なのだと思う。デビュー作の『紅いコーリャン』からリアルタイムでずっと彼女を観続けてくることができたのは本当に幸運だった。
アクションシーンが長い映画は好きじゃないことを再確認
これは期待外れでした。
私は、アクションシーンが長い映画は好きじゃないということを再確認しました。
特に、撃たれてからの主要人物の不死身さは、シラケてしまう。
悪役なら怖くて良いけど。
それくらいしか書くことがない映画でした。
構成が相当ややこしい。
タン先生が演出する演劇が、太平洋戦争勃発直前のスパイ合戦と付合してるってゆうか、演劇と演じたタンとユー・ジンの物語が重なってるって事なんよね?
教科書には載らない歴史
日中欧の諜報員が暗躍する魔都上海においてコン・リー演じるユー・ジンという人気女優が舞台サタデー・フィクションに出演するために上海にやってくるのだが、ユー・ジンの本当の目的は暗号通信の専門家であり新しい暗号を配布するために上海へとやって来た日本海軍少佐の古谷三郎から太平洋戦争開戦のきっかけともなる奇襲攻撃の情報を得るためにフランスの諜報員が仕掛けるマジックミラー作戦のために投じられたスパイだった。
オダギリジョー演じる古谷三郎の護衛に銃術に長けているという梶原が護衛につくのだが、梶原役を中島歩が演じている。
映画の良さは何と言っても、スパイが暗躍する中で舞台サタデー・フィクションに専念しつつの如何にスパイの対象である古谷に対し近づくチャンスを見図らないながらマジックミラー作戦を決行するのだが、ユー・ジンのファンですと言いながら近付いたバイ・ユンシャンは実はユー・ジンが握る情報を得たいがために近付いた実はスパイだったりと、作戦の決行を今か今かと待ちわびながらも舞台女優として本番に向け稽古に励むユー・ジンの姿はスパイと言わなければ誰も気づかない。
予告にもあるが、美代子の存在が鍵を握る。
ユー・ジンが何故マジックミラー作戦におけるスパイとして選ばれた理由が古谷の亡き妻美代子とユー・ジンがそっくりだという理由から、古谷を襲撃した後意識があるうちに新しい暗号を解読するためのヒントを取得しようとする。
が、いざマジックミラー作戦を決行し古谷を襲撃したものは良いが結果は狙撃手が屋上から致命傷にならぬように古谷を襲撃した後はホテル内の救護室へ意識朦朧の中運ばれていくのだが、そのタイミングを待ってましたとばかりにユー・ジンが美代子になりすまし古谷に近付くと"美代子よ、美代子はここにいる"と甘い囁きで古谷に話しかけたら古谷は暴くだろう。
意識はあるが生死の境を彷徨う古谷にはもはや機密事項を守らねばという考えが飛んでしまうレベルであったため案の定暗号の意味を知る事ができたのたが、では奇襲攻撃は防ぐことができたのかとなると最大の謎の暗号であるヤマザクラだけは解読出来ず後々真珠湾攻撃が開始される前にやっとヤマザクラが指す意味はハワイだと知る。
映画を見ていて思った直感的な感想はエンドがあまりにも予想外だったということ。
舞台が気がかりなユー・ジンは行われる蘭心大劇場へ移動するが、ユー・ジンの後を追いやって来た梶原との銃撃戦になり梶原を撃った後、古谷が駆け付けてくるのだが、古谷はユー・ジンに対し亡き妻を襲撃したのかと訊ねるも答えず撃つ。
古谷が息絶えたのを確認してから、タン・ナーと待ち合わせをしていたカフェへと急いで向かうがそこにも待ち構えていたスパイがいる。ユー・ジンはタン・ナーに抱き抱えながら目を瞑りエンディングになるが、一つ疑問に思ったことだがユー・ジンはターゲットの古谷を撃ったと同時に古谷が撃った銃弾が結果致命傷になり意識が飛んでしまいそうになりながらも愛する人のところへやって来て命を落としたのならば、人生の最期は愛する人の腕の中で眠りたいということだろうか。だとしたら、スパイとして最期まで任務を全うしたと同時に命を落としたのならば孤児であった自身を里親としてまたスパイとして育て上げたヒューバートへの感謝だろうか。
色々な見方が出来るエンディングだった。
マジックミラー作戦を決行し得るべき情報は得たものの実行のタイミングが遅かったために奇襲攻撃は防ぐことは出来ず太平洋戦争が開戦するのと同時に日本軍の英仏租界への進駐で上海の孤島と言われた時代の終焉を迎える。
太平洋戦争の開戦前夜の上海を描いた映画
最初は混乱した。劇中劇のリハーサル風景からスタートしたのだが、コン・リーが演じている劇中劇の登場人物、芳秋蘭と、映画の登場人物であるユー・ジンとを見分けることができなかった。監督のロウ・イエは、むしろそれを狙っていたのだろう。ただ、いつものように、少し我慢して観ていたら、大体わかった。登場人物の数もそれほどでなく、関係も極端に複雑ではなかったから。映画の冒頭、コン・リーはメイクも地味で精彩にかけ、不思議な魅力は伝わってくるものの、大女優らしいオーラは感じられなかった。後半は、もちろん一変したが。彼女は、前半の展開には、納得していなかったのかも知れない。
ユー・ジンは、養父のフランス人フレデリック・ヒューバート(なぜか英国名)に育てられた諜報部員で、上海に潜入する。表向きは、上海到着が紙面を大きく飾るほど著名な女優として、劇中劇「礼拝六小説」(原案は、横光利一の「上海」)に参加するため。第3の目的は、別れた夫ニイ・ザーレンを救出し、以前の恋人(劇中劇の演出を務める)タン・ナーと再会するためか。
舞台は、太平洋戦争の開戦直前、未だ日本軍の侵攻を免れている上海の共同租界(言わばアジール)。ほどなく、ユー・ジンのスパイとしてのターゲットである海軍少佐、オダギリ・ジョー扮する古谷三郎が上海に到着し、中島歩が演ずる護衛、海軍特務機関の梶原の出迎えを受け、ユー・ジンと同じキャセイ・ホテルに投宿する。新たな暗号の意味を、直接、現地に伝達するため。ユー・ジンは、行方のしれない古谷の妻、美代子と風貌が似ていることから、ヒューバートによって任務を託された。
ユー・ジンは、元の夫ニイ・ザーレンがキャセイ・ホテルの前で銃撃され、古谷が計画に従って狙撃手に腕を撃ちぬかれた時に、彼をホテルの診療所に連れて行き、麻酔からの覚醒時を狙って、太平洋戦争、開戦時の暗号の意味を聞き出そうとする。
この映画の見どころは、どこなのだろうか。おそらく、監督ロウ・イエが注目したのは、30年代の建物が、キャセイ・ホテルを始め、そのまま撮影に使えたことだろう。特に、四角錐と三角屋根で名高いキャセイ・ホテルの窓から見えた上海を代表するバンドの眺望が印象的。それにしても、雨の場面が多かった。モノクロの画面を活かすためだろうけど。しかし、何と言っても、開戦の前夜、汪兆銘の南京政府(日本寄り)、敵対する蒋介石の重慶政府、日本の陸海軍、ヨーロッパ(ドゴールの率いるロンドンのフランス亡命政権)のスパイたちが、開戦の情報を巡って、抗争するところだろう。劇中劇のリハーサル等で出てきた当時の上海は、演劇、ダンス、食事の様子、背景になるホテル、劇場、カフェなどの建物と室内、移動手段が殆ど車であることなど、見事なまでに都市生活の様相が明らか。もちろん、当時の東京の比ではない。
でも、困ったことが一つ。太平洋戦争の開戦を12月7日としていたこと。確かに、開戦時、日本海軍が侵攻したハワイの現地時間は12月7日(日)、しかし、それより少し早い時刻であったとされる日本陸軍のマレー半島への侵攻の現地時間も、その時の日本の時間も、上海の時刻もすべて12月8日(月)である。それを認めることができたら、エンディングもより魅力的なものになったのではないかと思う。
もう一つ残念であったこと、最初にオダギリ・ジョーに与えられた役割を、その後の撮影の経過の中で、古谷(オダギリ)と梶原(中島)に分割したと聞く。なぜ、そんなことをしたのだろう。あの日本人離れした風貌のオダギリが、優しさを内面に秘めて、外面は剛直でやや生硬に(「ラスト・エンペラー」における坂本龍一のように)当時の日本人を演ずることができたら、どんなに良かったろう。きっと世界中から彼にオファーが殺到したに違いない。もちろん、ロウ・イエからの「徹底的に冷酷な特務機関員を演じて欲しい」という要求に見事に応えた中島歩は、素晴らしかったが。
カラーだったら、もっと低いかも
わたしの歴史的な知識が乏しいので、
ちょっと、よく解らなかったです。
全体的に暗かったし、
モノクロって、とりあえず雰囲気作りに一役買ってるから、
なんとなくイケてる雰囲気ではありました。
しかし、小宮さん、だいぶ弱いなー。
ってのと、
美しい人のスパイ・アクションってことで、
綾瀬はるかの無敵のリボルバリリーが若干脳裏を掠めましたが…
同じく、ユー・ジン、無敵やん!っていうあるあるの感想と…
で、マジックミラー作戦ってなんやねんっ!
あの診療所での一連のこと???
あの薬で虚ろな小宮さんと、ユー・ジンのやり取りは、
個人的には美しいってより、
何やってんだよ、小宮ーって思っちゃいました。
だから、キレッキレの梶原とユー・ジンの銃撃戦を、
もっと“動”な感じでみたかったかも。
やっぱ、この作品のモノクロは、ズルいな。
全ては幻想に(追記あり)
映画内の現実と戯曲「サタデー・フィクション」内の世界がオーバーラップする。繰り返されるシーン。何が演技で何が現実か分からないまま物語が進む。女も男も顔が強いイケメン役者たち、西洋と東洋の入り交じった上海租界の空気、クライマックスの激しいガンアクション、コントラストの強いモノクロ映像とも相まって、最後まで非現実的な雰囲気があった。
振り返るとストーリーはシンプルで、著名な中国人女優ユー(裏の顔は連合国側のスパイ)が、日本の情報将校・古谷から日本軍の新暗号のコードワードを聞き出す作戦に参加を余儀なくされ、周りの人々を巻き込んでゆくというもの。古谷の亡妻がユーによく似ていることから、古谷を拉致し薬(自白剤?)の影響下の幻覚で妻だと思わせて秘密を打ち明けさせるという計画は、不確定要素がありすぎて(映画のプロットとしても、作中現実の計画としても)説得力が弱いと思った。が、こんな計画に乗ってでも、スパイから足を洗い、開戦のどさくさで出国して恋人の演出家と生きることを願ったのかもしれない。
ただ、ユーが機密入手に成功しながら嘘の報告をした(日本軍の侵攻先はシンガポールではなくハワイだった)理由がよく分からなかった。古谷の妻の死(計画の一部で、入れ替わるため謀殺された)や、古谷拉致のために自身の元夫を殺させてしまったことへの悔悛なのか。
結局、土曜日が来て、ユーの未来も、妻の幻影を求める古谷も、上海租界も、全てはまぼろしと消えた。
話にはやや瑕疵があると感じたものの、スタイル重視の作りは嫌いではなかった。純中国映画でこのコスモポリタンな感じが出せることに感嘆し、自分の偏見にも気づかされた。
11/28追記:
1)かばこさんのコメント(ありがとうございます)に触発されて少し考えてみた。
養父はフランス租界で古書商を営みながら諜報の世界にもいるが、どこのスパイなのか。舞台である1941年12月の時点で、フランスは親ナチスのヴィシー政権となっている。またユーが上海に戻る前に任務についていたインドシナも、1940年6月のヴィシー政権成立後の日本との協定により日本軍の仏印進駐が行われている。つまり作品中のフランス本国は親独で日本と協力する枢軸側であり、それに対してユーや養父はドゴールの自由フランス(レジスタンス)側として活動していたのだろう。
そこからの仮説だが、まずユーの報告が正しいか間違いかにかかわらず、開戦すれば上海租界に日本軍が入るのは明らかである。その場合、養父が正しい情報を打電し、開戦後も現地で枢軸国に対する諜報活動を続ければ、いずれは捕まり、恐らくは処刑されるだろう。一方、養父が間違った報告を上げて信頼を失えば、あるいは(劇中でそうなったように)失望して任務を放棄すれば、上海を離れて生き延びられるかもしれない。ユーは養父を騙すことで命を救おうとした、と考えるのは飛躍が過ぎるだろうか。
2)レビューを読んで「シャドウプレイ」の監督だったと知った。今年完全版とドキュメンタリー「夢の裏側」を観て、(書きかけでアップしなかったが)中国現代史の文脈と膨張する都市を独自の切り取り方で咀嚼しながら、中国本土でこれほど洗練された、西洋と遜色ないミステリーを撮れるということに驚いた、との感想を持っていた。本作はエンタテインメントに振りながらも、都市への眼差しに共通の独特さを感じた。
信じる信じないは私次第私がきめる、
愛する者に愛されたいと思うのは傲慢であり利己であり自分勝手ですあるのもあるのだ。
ロウイエ監督の作品、記憶に新しいところでではシャドウプレイだけど、イケメンなのにいけてない、ダメな男が出てきて女は大体否応無しにということもあるけど、力強く選択していくのだ。
それでも、ふらふら自己愛に満ちた男たちも、そんな彼らを愛したり騙したりする女たちも、ロウイエ作品で感情移入してしまう登場人物はいない。羨ましいと思う感情ノコ交差があったり、彼にしかこうは見えない街並みであったりしていたく感動することはあっても。
それでもそれでも、本作品サタデーフィクションは、さすがのコンリー様が圧倒的に揺るがない存在感でコンリーに意識が集中しコンリーに私の心が入り込みに行く。
シャドウプレイの若いイケメン刑事に続くダメ男ぶりのオダギリジョーもいいぞ。
演出家で元恋人も、拷問を受ける元夫も、コンリーをスパイに育て上げた義父も、ありえないだろうと思いながら、ありうるかもと右往左往する。
コンリーと、バイメイは、私が愛すると決めた者を愛する。私のためにそれをする。
利己的な、愛するゆえに愛されたいとは反対の。だから
スパイ関係がどうなっていても関係ないのだと思う。
豊かな文化的な暮らしの上海がおもう存分描かれて、劇場とホテルというカラクリや秘密の通路がある舞台設定も素晴らしく、いつものロウイエ作品なら道に迷うところだが本作では黙ってコンリーについていくのみ。自分だけが真実。自らを愛し世界を愛する。
オープニングの二人の再会エンディングの二人の心で交わる最後もよい。コンリーがクルマの窓ガラス越しにオダギリジョーを斜め45度で撃つシーンとかは単純に、今までを見た映画シーンの中で一番カッコ良いのではないか。思わずかっこいいと声がもれた。
ミラー作戦。人の心をあらわにするミラー。それにしても、コンリー58歳。マジックミラー。
コン・リー
北はソ連、南はアメリカ、鎌倉は行動を起こすという意味で、山桜は・・・。
期待度◎鑑賞後の満足度△ 中国映画がこういう題材を取り上げるのかという驚き以外は「フィクション」という題名通り作り物感・ハリボテ感満載のエセ諜報もの。
①中日戦争真っ最中ながら治外法権である上海租界が舞台なのにテロップでの説明以外はそれらしい雰囲気はなく(もとより“魔都”という雰囲気もない-中国の作家「茅盾」の『子夜』という作品を読むと”魔都“という雰囲気がよく分かります-)、太平洋戦争勃発直前の
各国の諜報部員入り乱れてのスパイ合戦を期待すると梯子を外されます。
②
夢と現実
中身が濃いアクション作品。白黒で観るのもまたいい。
中国映画は初めて。太平洋戦争開戦1週間前の中国上海での日本軍諜報員と連合国諜報員の駆け引きはハラハラドキドキ感満載で見応えがあった。
特に後半は目まぐるしくハラハラ・ドキドキ感も上昇する。
コン・リーの演技が印象に残った。古谷役のオダギリ・ジョーの演技も印象に残ったが。
惜しむらくばゴジラ-1.0の公開日とぶつかったのは気の毒。
観て良かった。中国映画も初めてだがなかなか面白い。
ハードル上げすぎたか
タイトルから勝手に『パルプ・フィクション』的なものを想像し、予告編の感じから、スタイリッシュなモノクロのスパイ映画と期待値を上げすぎたのかな、思ったほどではなかった。
確かに時代背景を考えると『ミッション:インポッシブル』的なハイテクなスパイテクは無い。
思ったより穴だらけで無骨だし、双方の諜報活動の描写もちょっと雑。
随分とおとなしい映画だなぁと思っていたら、後半に帳尻合わせのようなドンパチ。うん、こういうのを期待していたんだよ。
とはいえ、モノクロなうえ日本人と中国人なので、どっちがどっちだか。
そして任務遂行中だからなのだろうけど、ユー・ジンの立ち居振る舞いに、なんだかイラッとしてしまう。コン・リー、やっぱ良い女優さんだなぁ。
全体的な雰囲気は嫌いじゃない。
明転・暗転
オダギリさんと中島歩さんが出演している映画という情報頼りに鑑賞。地味に一回も予告を見なかった作品でした。
劇中で違う作品が流れながら、現実の話も同時進行するのは「アステロイド・シティ」に近いなと思いました。ただそちらがあまりハマらなかったので、これはどうなるんだろうと身構えながら観てしまいました。
正直、前半のドラマ部分は退屈でした。何か光るものがあるわけでも無く、それが劇中の作品と連なって進むので、今が一体どの時間帯なのかが混乱しますし、登場人物もやたらめったら多いので色々と考えてしまいパンクしかけました。
終盤、それまでのスローなドラマとは一変し、室内での銃撃戦が加速していきます。
この作品の良かったところはこの銃撃戦の最中に行われる電源のスイッチのオンオフでの暗転と明転で相手を惑わす戦い方は漫画的で面白いなと感じました。
ユー・ジンの早撃ちだったり、車体の窓抜きで撃ち殺したりとしなやかさと躍動感を兼ね備えており、とても魅力的でした。比較するのもアレですが「リボルバー・リリー」の最高到達点がこの銃撃戦だったんじゃないかなと思いました。ユー・ジン無敵すぎないか?とは思いましたが、そこはフィクションというご愛嬌で。
今年何本出てるんだ?ってくらい出演されている中島さんがいつものダメ男っぷりとは全然違うハードボイルドさ全開の渋い軍人役には痺れました。この作品きっかけにこういう渋カッコいい役が増えればいいのになと思いました。
前半のドラマを耐え抜けば、モノクロで魅せる芸術的ハードボイルドな作品が堪能できるので、もう一回観てドラマ部分を理解しようかなと思いました。
鑑賞日 11/7
鑑賞時間 13:50〜16:05
座席 E-1
ユーは何しに上海へ?
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