「70年代の北アイルランドの空気を吸った」グッド・ヴァイブレーションズ エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
70年代の北アイルランドの空気を吸った
本格的に音楽を聴き始めた1972年、ポール・マッカートニーの「アイルランドに平和を」によって北アイルランドの紛争を知った。カトリック住民と警察、そしてプロテスタント住民との争い。
今作は紛争が絶えない70年代の北アイルランドの首府ベルファストが舞台。以前は有名アーティストのライブが数多くあったようだが、時とともに音楽産業が衰退してしまった。
主人公のテリー・フーリーが開いたレコード店「グッド・バイブレーションズ」が実にいい感じ。音楽愛はワールドワイドだ。そして彼が後押しすることになるパンクバンドとの出会いが衝撃。それまで聴いてきた音楽とはまったく違うものだったろうに、激しいあの時代と融合し彼の中で爆発した。
そう、これは北アイルランドから音楽を発信しようとした男の物語だった。お金に恵まれず、「グッド・バイブレーションズ」は閉店と再開を繰り返したようだが、そこは紛れもなく聖地だった。
コメントする