芳華 Youthのレビュー・感想・評価
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ギリギリで適温に保たれる情緒の温度
中国の文化革命が終焉を迎える頃、同志たちを歌や踊りで勇気づけた文化工作団、略して文工団に所属していた若者たちの恋愛模様が描かれる。彼らは皆純粋で明るいけれど、時代のうねりは間もなくすべてを飲み込んでいく。時の流れの中に捨て去った貴重な時間への尽きぬ思いと、それでも変わらない人の心を描いて、この映画は中国で記録的大ヒット。つまり、今も多くの中国人は文革時代のピュアで平等だった頃に一種の憧れを抱いているのかもしれない。それが分かる貴重な映画であると同時に、ノスタルジーを描く上で欠かせない情緒の温度が高くなりすぎず、ギリギリで適温に保たれた希有な作品である。
キャラクターの心情描写がもう少し欲しい
自由を制限され選択すらままならない激動の時代を生きた人たちの恋は、作中で披露される舞や音楽と相まって、非常に甘く、そして苦い、青春全部盛りのような魅力があり、良い映画だったと断言できる。
しかし、良い映画と面白い映画はイコールとは限らない。本作は少々退屈に感じた。
まず前半の半分くらいがベースになる文工団のシーンだが、登場人物が多く誰が誰やら把握しきれない。最後まで観れば、シャオピンとリウ・フォンとスイツ以外は覚えなくても大丈夫だとわかるが、初見では判断が難しい。
しかし、誰が誰に恋心を抱いているかは重要だと思うので、出来れば把握したいところだが…
次に、長い歳月の経過がある作品なので中盤以降は唐突な変化が多く、明らかに描写不足。途中経過のようなものがなくて結果だけが急にくる感じだろうか。
映画の尺に合わせなければならない苦労は理解できるけど、序盤の文工団のシーンに尺を使いすぎてバランスが悪かったように思う。
それと、シャオピンの恋心は、ちょっと秘めすぎじゃない?
彼女が主人公だと思うけど、気持ちが隠れすぎててどう応援していいのかわからないんだよね。せめて観ている私たちにはもっとハッキリ示して欲しかったな。
結果、気持ちが乗らないので、仮にシャオピンの想いが成就したとしてもあまり嬉しく感じないし、破れたとしても悲しく感じない。
恋、舞、音楽、映像、なんなら戦闘シーンも、美しさに変えて、苦い歴史の上に乗せた美と醜の対比、甘と苦の対比が素晴らしいけど、物語がとっ散らかって、出来の悪い「さらば我が愛 覇王別姫」のようだと思った。
青春映画としてシャオピンたちと同世代の中国人には刺さるのだろうか?
世代も国も違う私には美しさを感じ取れる以外には何も刺さらなかった。
還暦過ぎたらもっと染みるかも
激動の時代に青春時代を送った 人々の群像劇。 若く不器用でまばゆい時間は 当時辛かったことでさえ振り返ると美しかった。 ジワリと染みわたるような 青春への感傷がそこにあって、 その後も幸せな状態にあるのも ホッとできた終わり。 とはいえ若くて美しいのがすべて素晴らしいって 風合いのナレーションには 現代の日本のポリコレとは合わないよなあと 感じる点もある。 昔を懐かしむテイストなので 還暦を過ぎてから観るほうが より一層理解が深いのではなかろうか。 若い時に観ても、へえ。。。程度で過ぎるように思う。
テレサ・テン
今は閉館中の恵比寿ガーデンシネマにはるばる出向いてみたうちの一本。 映像のきれいな映画でした。女優さんたちのスレンダーなスタイルや踊りが印象的でした。どうせ当局に検閲された中国のアイドル俳優たちを起用した文化大革命を正当化する宣伝映画だと思い、憎まれ口を叩くのも癪なので、レビューはパスしていました。 それが、昨晩、NHKの映像の世紀バタフライエフェクトで【我が心のテレサ・テン】をやっていて、この映画が説明に使われていました。組織された芸能部隊の若者が隠れてテレサ・テンのカセットテープを聴く場面でした。それで、胸きゅんして、意欲がムクムクしちゃいました。 我が心の歌姫。テレサ・テン。 42才の若さでフィリピンのホテルで謎の死をとげたテレサ・テン。 歌手なのに死因が喘息なんて、信じられませんでしたね。 あの時代、外国の文化に触れたくて仕方がない大陸の中国人はオーストラリアのラジオ局がわざと流す短波放送を隠れて聴いたり、外国のテレサ・テンのカセットテープを内密に手入れ、隠れて聴いていたのです。テレサ・テンの歌は全世界の中国語がわからないチャイナタウンの華僑、華人の心の琴線にもふれました。ちなみに、若いときから共産党幹部だった、しゅ~きんぺ~もテレサのカセットテープ隠れて聴いた派らしいです。鄭小平は昼間の鄭さん。夜の鄭さんはテレサ・テン(鄭麗君)と言われるほど、絶大な影響力。政府のプロパガンダに利用され、弾劾もされたテレサ・テン。紹介された映像ではロードローラーでカセットテープやCDが壊されていました。 芳華でも紹介されたその曲は つぐないではありません。 時の流れに身をまかせでもありません。 1977年のテレサ24歳のときの 「月が私の心を映している」 (月亮代表我的心) です。 毛沢東の文化大革命(1966~1977)で台湾に逃げてきた人の話は親づてに聞いたことがありましたが、こんなにひどかったとは。バブルを迎えた中国人が失った仏像などの文化遺産を買い漁る理由がよくわかりました。中越戦争は中国がベトナムに行った侵略戦争で、この映画の舞台でした。
なんか...薄い
それぞれのストーリーが端的で、内容がうすく感じて感情移入できなかった。。 最後の二人のシーンも良いシーンなんだろうけど、二人が結婚はしないがパートナーになったんだ、へえ〜て感じ。 デインディンのこと好きだったのにディンディンが太って別人になった姿みて、好きじゃなくなったってこと? 最後までディンディン追いかけたらよかったのに。 そのディンディンはなんで豪州行ったのかも謎だし。 一人一人のストーリーが雑というか、全く心に残らなかった。 映画館で1800円払わなくて良かったってくらいの映画
青春時代の記憶
本当は中国が日本の戦後と同じように貧しかった時代の話ですが 人も街も建物の内部も美化されていました。 若さというのは それだけできれいにかがやいて感じられ 記憶の中での青春時代が 美しい思い出になっているからでしょうか。 集団生活の中で起こる 個人に対するいじめや通報,懲罰主義に対する 怒りや理不尽さもあまり感じられませんでしたが 現在よりも人権が大切にされていなかった時代でもあるし 軍隊の中でのことなので 当然のことのように描かれているのかなあと思いました。 戦闘や野戦病院でのシーンは生々しく 自分が戦争に行っている気がして 怖かったです。
ギリギリで昼ドラ判定
女子群は素敵に目の保養になったけれど、いろいろと盛り込みすぎて、映画としての焦点がボケ気味か。 頑張ってクールな路線を狙っているのはわかるけど、やすいテレビドラマ臭が消しきれてないのが残念。
あの日過ごした芳しい華々を私達は忘れない
今年公開のアジア圏の作品の中で特に気になってた一本。
本国中国では大ヒット、賞も受賞。話も良くて、期待通りの良作秀作。
1970年代の中国。時代背景や歴史が絡むと、幾ら隣国の少し昔の話とは言え日本人には馴染み薄いかもしれないが(中国は長らく扉を閉ざしてもいた)、これは誰の心にも染み入る青春感動作。
17歳の少女シャオピンがとある歌劇団に入団。
歌や踊りで兵士たちを慰労する軍歌劇団、文工団。
冒頭、陽光差し込む稽古場で、軽装で汗を輝かせながら稽古に励む団員たちの姿は、青春とノスタルジーを掻き立てる。
国と時代を超えて、スッと作品世界へ。
団は男子寮/女子寮の寮住まい。
女子寮は、ご想像通りの世界。先輩からのいびり、軍服事件に豊胸パッド事件…。
若い男女が一緒に過ごせば、そりゃあ色々ある。影でいちゃついたり、一人の男性を巡っての三角関係…。
シャオピンも模範生のフォンに密かな想いを。
なかなか周囲に馴染めず、のけ者笑い者のシャオピン。
辛い事もあるけれど、新しい居場所新しい仲間に囲まれ、シャワーも自由に浴びれて、思えば最も幸せな時だったかもしれない…。
古今東西、輝かしい青春は束の間。
戦争、毛沢東の死…時代が目に見えて大きく変わっていく。
若者たちもその流れに逆らえず、呑み込まれていく…。
公演は中止。
交際も風紀を乱す理由により許されない。
ある日、フォンが女子団員と揉め事を起こし、処分として戦争の最前線に送られてしまう。
シャオピンもまた野戦病院へ…。
中盤、フォンが赴いた戦地。序盤のノスタルジックな青春劇とは一転して、緊迫感溢れる戦争映画に。
敵襲。6分ワンカットの戦場シーンは圧巻の迫力で、序盤の作風とは本当に同じ映画?…と思うくらいリアルで生々しい。
シャオピンも野戦病院で負傷兵の看護に忙しい。彼女が看護する負傷兵の中に、識別も出来ないくらい全身大火傷を負った16歳の兵が。
余りにも悲惨で酷い。これが、戦争なのだ。
シャオピンにとってもフォンにとっても、文工団で過ごした日々は夢だったのか…?
やはり自分は男なので、女優さんたちばかりに目が行く。
シャオピン役のミャオ・ミャオ。おさげヘアのピュアなヒロイン像は、『初恋のきた道』のチャン・ツィイーの再来レベル! 不慣れな敬礼姿にも萌え~。
語り部のスイツにディンディン、陰湿な寮長も皆、魅力的な美人さん!
毛沢東の時代にテレサ・テンの歌、何かに明け暮れ過ごした青春の日々…監督フォン・シャオガンにとってはドストレートの時代なのだろう。
下手すりゃ個人や当時を生きた人にしか分からないが、作りや見せ方の巧さで、国も時代も違う今の我々にも充分伝わる物語になっている。
ちょいと感傷的なメロドラマ風ではあるが、それもまた良し。
監督は『唐山大地震』で史実を基にした感動作を手掛け、『戦場のレクイエム』では戦争映画も手掛け、本作はまさにキャリアベスト級、集大成と言ってもいい。
若者たちの青春群像劇スタイルだが、シャオピンとフォンの二人の愛の物語、特にシャオピン目線で見ると波乱万丈。
実は不幸な生い立ちのシャオピン。
やっと文工団で新しい生活をスタートさせたかと思いきや、戦争の渦中へ。
可憐な少女が直面した運命の数々は、残酷過ぎた。
そして彼女の心は、壊れた…。
やっと戦争が終わった。
が、シャオピンは精神を病んでしまった。
自分が文工団に居た事も覚えていない。
活動を再開した文工団。公演を披露。
シャオピンも鑑賞。すると…。
月夜の下で、舞い踊るシャオピン。記憶は忘れても、身体や心の底では忘れてはいなかったのだ。
序盤から中盤まで、文工団の歌劇は主に練習風景のみ。
が、月夜の下で舞い踊るシャオピンと文工団の公演が交錯し、このシーンの為にあったと言えよう。
そう、戦争は終わったのだ。
という事は、兵士たちを慰労する文工団の役目も終わったという事。
解散。
幸せだった事、辛かった事含め、
ここが、家だった。
皆が、家族だった。
片腕を失い帰還したフォンが閉鎖された文工団を訪れるシーンは、言葉で表せない物寂しさを滲ませる。
時が流れ…。
団員たちのその後それぞれ。作家として成功した者も居れば、満ち足りぬ生活を送る者も。
確かに世の中、平和にはなった。
が、各々、本当に幸せなのか…?
団員たちは運命で結ばれていると言えよう。再会を果たす。
シャオピンとフォンも…。
やっと結ばれた平穏な日々。
と同時に、二度と戻らないあの日々へのほろ苦さも…。
激動の時代に翻弄されながらも、大切な存在の“家族”たち、かけがえのない青春の日々…。
あの日過ごした芳しい華々を私達は忘れない。
戦争の爪痕。青春の傷痕。
とにかく良かった。本当に良い映画だった。まさしく青春。いや青春と言うよりもやはり副題に使われた"Youth"という言葉のニュアンスが近しい気がする。青春と呼ぶには複雑すぎるし切なすぎる若き時代の日々。戦争のある時代に青春時代を送った者たちの、キラキラ眩しいだけでは済まされない日常は、それでもその「若さ」が光を放ち、芳しく華やいでいる。若さゆえの痛み、若さゆえの喜び、若さゆえの失敗、若かったから出来たこと、若かったから出来なかったこと、若かったから分からなかったこと、若かったから分かったこと・・・そういうものがこの映画には全部詰め込まれているみたいに感じた。もちろん、私自身の青春がこの映画の青春と重なる部分などはごく僅かしかない。時代も違えば国も違うのだから。それなのにこの映画を見て「あぁこれは青春だ。これは若さだ」と心底思う。そして胸がぐうっと締め付けられる。青春の普遍的な部分を丁寧に掬い取った作品だったからなのではないかと思う。
なんだかまるで半年の朝ドラを一気に2時間で観たような気分だったし、それに相応するような濃厚な内容。最初は中国の名前と顔を一致させるだけで必死だったはずの登場人物に対し、物語が進むにつれそれぞれ全員に思い入れが生まれて、それぞれが抱える青春の痛みや青春の悩みがヒリヒリと沁みるように伝わってきた。それぞれが時代と戦争と社会に翻弄されながら、懸命に自分の人生を模索し、それぞれに数奇な人生を歩んでいく様子は、最後まで目が離せなかった。模範生だったはずの劉峰は、人生の舵取りをほんの僅か見誤っただけでその後の人生が大きく変動してしまうし、そしてやっぱり小萍にどうしても情が移ってしまって、心を病んでしまってから、小萍はどうしているのだろうかとずっと気が気でなかった(入り込みすぎ?)。
最後にはしっかり老けた劉峰と小萍の姿が見られて逆になんだか安心した(そうはいっても31歳だが)。そう、若さは失われるものだし、失われてこそ若さは美しいものだ。若さが失われるところまでしっかり示唆してこそ、正真正銘の青春の物語だと確信する。少し老けたふたりになぜか胸がチクリと痛む。もう若くない二人に少し切なくなる。でもその切なさが追憶の中の青春をまた輝かせる。あぁやっぱり青春時代っていうのは、一瞬の輝きであり、特別な時間なんだなと思う。
二本立て一本目。 軍を慰問する文工団。まるで学校みたいだ。女子はみ...
二本立て一本目。 軍を慰問する文工団。まるで学校みたいだ。女子はみんなスタイル抜群。着替えのシーン、まるで女子更衣室を覗き見してるようでドキドキ。美女たちの百花繚乱を期待。が、なんだ、いじめやらなんやら。 後半は一転、戦争映画に。中国って80年代まで戦争してたのね。自衛戦争とか言ってるが絶対違うと思う。トラウマ抱えた人が多いのが中国での大ヒットにつながってると確信。 恋模様のすれ違いが青春。みんな綺麗なのだが、ぴったりくるタイプがいなかったのが今ひとつ乗れなかった理由なのかも。
戦争描写がリアル
前情報無しのポスターだけ見て鑑賞しました。
戦争映像がリアルすぎてびっくりしました。日本だともう少しボカす表現だと思います。苦手な方は注意。
逆に言えば鮮明に描けてるんですけどね。
個人的に若者、青春賛美が過剰のような気がしました。
そういうテーマの映画を見ておいて何ですが。
若者でない私は切なくなりました。笑
1人素晴らしい人物として描かれている主人公の男性が酷い目に会うのもただただ悲しい。
歌や踊り、女優さんは美しかったです。
上質な青春映画だか、ロンダリングされたところも。
1976年文革後の人民解放軍の文工団を舞台にした青春群像劇。文工団は慰問舞踊楽団みたいなもの。 男女混合で訓練と鍛錬に明け暮れながらの共同生活で、友情恋愛を経てある者は、戦場に行き地獄の様な体験する。 とても良く出来た映画だか、中国共産党が知られたくない都合の悪い部分を上手くロンダリングしている印象は強い。 例えば、ベトナムとの中越戦争を描いているが、戦場のみに限定されていて大局は、ボカしている。 実際にはベトナム軍にボコボコにされた負け戦なのに。 当然なのか?毛沢東や政策や文革への批判的な部分は皆無だ。 軍隊生活も訓練も美しくて清潔感に溢れた描写が殆どで、軍服はシワ一つなく新品みたいなものを皆着ている。 兵器も車両も博物館の展示物みたいピカピカ。 ただ、製作者の反骨精神を感じるのは、戦場の悲惨な描写が凄まじくて「ランボー4」みたいなリアル人体破壊描写は連続して起こる。 これ見て戦争したがる奴は、危険でアタマおかしい。 90年代の頃の街にいる治安維持部隊もワイロ上等な腐敗した組織として描かれている。 あくまでも、地位も権力も無い人民の目線が貫かれているので、そこには感動できるが、そこからの解読も必要だと思います。 映画や娯楽に、政治批判を持ち込むのが、嫌いな人もいると思いますが、映画は元々、宣伝や扇動や告発に利用されてきた歴史があるので、そこは外せないと考えてます。
中国軍部「文芸工作団」内の青春群像。
いつの世も、どんな環境でも、多感な若者の男女が集まれば、恋が芽生えるもの。それは中国軍部においても同じだった。それは、彼らが情緒を表現する役割を担っているからこそであったからなのかも知れない。 ただ、中国の軍事政策に強く抵抗を覚えるチベットびいきの身としては、ベトナム侵攻の中越戦争をあたかも中国が正義であるかのように描いている時点で受け入れられなかった。あの終戦の迎え方で、すくなくとも勝ち戦とはとらえていなかったようだが。
美しい青春物語
美しかった。 中国の激動の時代、その中で青春を謳歌する若者たち。 文工団での規律の厳しい中、普通に青春し恋愛し、純粋な上に分かれ。 とにかく美しい人たち、映像、音楽がしみる。 戦争の場面展開はすごい。ものすごい。興奮した。 美しさだけでなく激しさも表現していて。 そして年を取る。 長い年月を詰め込んでいるけど。 エンディングでは涙。 いい映画だ。
「文化革命の中に生きた青春群像劇」ではなく「時代変化についていかれない不器用な2人の恋物語」
携帯電話が世界中にいきわたり、”すれ違い””想いをよせる”恋がなくなってしまった現代に 素朴な恋を魅せてくれる大陸国映画 注目すべきはテレサテンさんの歌う曲を肯定し、映画で重要な役割さえ与えている事です。 傷つきながらも、新たな変化に置いていかれる主人公シャオピンが月明かりの下で ひとり踊る姿は悲しい。 それは鄧小平書記長の「改革開放路線」への移行に、寂しさを感じているシャオガン監督そのものだった。 都会の垢に汚れた私が観ていて、自分が恥ずかしくなるくらい美しいプールのシーンや 室内にある布の魅せ方等に代表される照明や背景色では 繊細な色合いまで気を配っている事が感じられ その美しさの中に、この映画の中に秘められたメッセージの全てが詰められている。 主題歌や美しい各所の演出シーンは他映画で見覚えがある気もするが それでも美しく仕上げらたカメラワークは観ている者を飽きさせない作りになっており 監督の力量は素晴らしい。 この映画を観たら、いかにも大陸国映画「サンザシの樹の下で(監督チャン・イーモ)と見比べてみたくなります。
更けゆく秋の夜~♪と、つい口ずさんでしまう
4DXで見たかったなどと書くと、「お前は汗フェチか!」と罵声を浴びせられるかもしれませんが、やはりタイトルが示す芳しさを感じてみたかった。主人公の女の子シャオピンの実家では水道代がかさむから風呂にはなかなか入れないほどで、シャワーが無料で使えると聞いてすっごく喜んでいた。父が解放されたのよ!などとスイツの言う言葉に、自分の父親が心配になるシャオピンは解放されることを信じて軍服の写真を送り、手紙を書く・・・ 文化大革命、周恩来、毛沢東、テレサテン、激動の時代中国におけるキーワードがとても勉強になる映画でもありました。軍の慰問なんかに出演する文工団。彼女たちの創作ダンスの美しさに魅了され、どんな文化の違いもあれ、青春してるな~と、共感するところが多い。 甘酸っぱい青春時代、それがぶっ飛んでしまうくらいの戦争シーンの残酷さ。PG12なんだからどこかにエッチなシーンがあるに違いないという甘い期待はもろくも崩れ去りました。あ、ここだったのね。帰宅してから思わず中越戦争をググりました。 冒頭から5つも6つも制作会社のロゴが登場する中、人民解放軍なんちゃらとかいうロゴが出たため、反戦的、体制批判的な描写は一切ない、多分。ただただ激動の中国を過ごした若者たち、そして文工団解散後の彼ら。資本主義打倒と言ってた時代から、現代の資本主義どっぷりで経済大国ともなった中国にありながら、時代から取り残されたような二人の哀愁漂う姿に思わず涙した。 シャオピンよりもスイツが好き。ちょっと夏菜似のアコーディオンの子も気になったので、思わずパンフ購入。びっくり、封筒の中に製本してないバラバラ写真のパンフだった!どういう意味?
青春映画と割り切れば
大前提として毛沢東の中国共産党の時代の軍隊の話だから、ベトナムとの戦争もどちらに義があるの?といったつっこみをしなければ。 架空の国の青春映画と考えれば素晴らしい。登場人物の関係が切ないし、画面もきれい音楽もきゅんとくる。女優さんたちのなんと綺麗なこと。解散後のエピソードも辛くて甘酸っぱい。
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