劇場公開日 2019年2月1日

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「幼い日の魔法は、大人になっても心を照らす」メリー・ポピンズ リターンズ せるりさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0幼い日の魔法は、大人になっても心を照らす

2024年4月5日
iPhoneアプリから投稿

「どんな仕事も、考え方次第で楽しい遊びに!」
子どもの頃、メリー・ポピンズがそう教えてくれたけれど、大人になった今、それは本当に可能なのかな?と思ってしまう。

多くを失い、生きる楽しみを忘れ、家族を信じられなくなったマイケルの前に、再びメリーが現れる。
かつては前向きだった彼も、追い詰められた日々のせいで、メリーが子どもたちに人生の楽しみ方を教えても、頭ごなしに叱ってしまう。

その姿に、ふと1964年版のジョージを思い出した。
彼もまた、仕事や責任に押しつぶされ、笑顔を失っていたが、メリーに救われた。
今回のマイケルの変化は、まるでジョージの物語がもう一度繰り返されているようで、その丁寧な構造に感心した。

子どもの頃に観た『メリー・ポピンズ』は、とにかく楽しくて憧れたもの。
そして、大人になった今、その“幼い頃の楽しい記憶”や“豊かな想像”が、心の栄養になるのだと実感できた。



追記:
原作を1冊読んでみた。
1964年版のメリーよりも、今作のメリーは少しツンとした態度を見せる。これは原作のメアリー像に近く、ディズニー版にも児童書版にも、それぞれリスペクトを感じられて好印象だった。

原作者P.L.トラヴァースが亡くなってからの公開で、ディズニーが“やりたい放題”にできたはずなのに、こうして原作に敬意を込めた作りになっている。
製作陣の想いを感じつつ、もしトラヴァース本人がこの作品を観たらどんな言葉を残したのか…それを聴けたらと願わずにはいられない。

せるり