「守るべき従業員のこともしっかりと描写してほしい」プーと大人になった僕 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
守るべき従業員のこともしっかりと描写してほしい
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総合:40点 ( ストーリー:30点|キャスト:60点|演出:50点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )
どんな作品が全く知らないままに鑑賞した。途中のクリストファーが鞄製造の人員削減回避の対策をするところまでは、大人でも観られる水準にあるように見えて悪くなかった。子供時代のことも回帰しながら大人として困難に立ち向かうのかと思った。
しかしその後は童話の世界に入り込んでしまって子供向け要素が強くなりすぎた。現実に晒されている大人には可愛らしすぎてきつい。
絶対に何かをしないといけない時に「何もしない」ことの大切さを作品中で強調する。もちろん映画だからこれでも最後にはどうにかなるであろうことはわかるが、突然現れたプーのことに気を取られて救済策が手遅れになり、今まで働いてくれた大切な従業員の雇用を守れなくなったらどうするのかという視点で心配をしてしまう。この映画では長年に渡り働いてくれた従業員のことは殆ど描写されない。彼らがどんな人なのか、どれだけ頑張ってきたのか、彼らにも生活があるのだということは視聴者には伝わらないようになっている。
映画では偶然の発見が起きてどうにかなっても、現実にそんなことは起きはしない。むしろクリストファーの時間的余裕が出来て家庭が良くなれば、従業員を助ける努力はしなくても済むのかと無責任に思えた。だから努力もしないまま映画の中でだけ偶然どうにかなってもすっきりとしなかった。この主題には賛成出来ない。
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