「二人の数十年ぶりの再会は、極上のノスタルジーでいっぱい」プーと大人になった僕 ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
二人の数十年ぶりの再会は、極上のノスタルジーでいっぱい
大人になると子供心を忘れてしまう————そんなテーマ性と共に名作「くまのプーさん」が装いを新たに蘇った。1920年代にA・A・ミルンが息子への読み聞かせの形式で著し、60年代にはディズニーが独自性を加味してアニメーションへと昇華させたあの少年とお馴染みのキャラクターたち。彼らが数十年の時を隔ててロンドンで再会する姿には、ただ見つめているだけで涙ぐんでしまうほどの崇高なノスタルジーを感じずにいられない。マクレガーが険しい表情から少年のような無邪気さを取り戻していく一方、名匠マーク・フォースターも彼らしい作品構造と描写力で物語を盛り上げる。そして肝心のプーさんときたら、本来のテディベア感を取り戻し、輪郭はアニメよりも原作に近い感じ。これらの要素が一丸となってクライマックスに向けなだれ込んでいく様も高揚感たっぷりで、ただただ無性に楽しくってたまらない。ディズニーらしい妥協なき見事な仕上がりだ。
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