「前作同様、めちゃくちゃ楽しいコメディ・ヒーロー映画! …なんだけど、肝心のお話がねぇ。」アントマン&ワスプ たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
前作同様、めちゃくちゃ楽しいコメディ・ヒーロー映画! …なんだけど、肝心のお話がねぇ。
アメコミヒーロー映画「MCU」シリーズの第20作目にして、『アントマン』シリーズの第2作。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』での一件により自宅軟禁の憂き目にあっていたスコット・ラングは、奇妙な夢を見たことをきっかけに新たな戦いに巻き込まれる…。
原作/製作総指揮はスタン・リー。
○キャスト
スコット・ラング/アントマン…ポール・ラッド(兼脚本)。
ハンク・ピム…マイケル・ダグラス。
ルイス…マイケル・ペーニャ。
○新キャスト
ハンク・ピム博士の元同僚である大学教授、ビル・フォスターを演じるのは『マトリックス』シリーズや『マン・オブ・スティール』シリーズの、名優ローレンス・フィッシュバーン。
ホープの母でありピム博士の妻、ジャネット・ヴァン・ダイン/ワスプ(初代)を演じるのは『I am Sam』『ヘアスプレー』の、名優ミシェル・ファイファー。
製作…ケヴィン・ファイギ。
ファミリー・ムービーの決定版、『アントマン』シリーズ。
第2作となる今回も切れ味の良いギャグと子供心をくすぐるガジェットの数々で観客を楽しませてくれる。
個人的に好きなのはマイケル・ペーニャ演じるルイスの喋りすぎちゃうギャグ。前作でも大好きな件だったので、本作にもあって嬉しい😆
小さくなったり元に戻ったりを繰り返しながら行われるカーチェイスシーンも楽しい!
まさかキティちゃんがMCUの仲間入りを果たすとは…。
前作同様、非常に楽しい映画だった。…だけど、正直前作ほど面白いとは感じなかった😔
本作のストーリーは非常に単純。
量子の世界に取り残された初代ワスプを助け出す、というもの。
ストーリーラインをシンプルにするのは良いと思う。
でも、お話がつまらないんだよ〜😭
初代ワスプを助ける為にはトンネルみたいなのが必要で、それを巡って小悪党な武器商人と『メタルギア』の敵キャラみたいな女アサシン、そしてアントマン&ワスプが三つ巴の戦いを繰り広げる。…だけど、敵キャラの魅力が薄い為、この争奪戦が盛り上がらない…🙁
というか、トンネルをだれが手にするか、という件が長すぎないか?基本的にずっと同じ展開が繰り返されるだけじゃん。
もっと量子世界の冒険とかを描いてくれれば良かったのに。
そもそも、女アサシンのゴーストがトンネルを狙っている理由がいまいちよく分からん。
自分の体の異常を治す為、トンネルの中にいる初代ワスプが必要らしい…。
ん、何故!?ワスプを使えば体が治るという根拠は!?
なんか敵と対立する理由を無理やり作ったような感じがして、物語の必然性が無いように感じてしまう。
30年間も彷徨っていたワスプが普通に生きているというのもご都合主義だよなぁ。ピム博士なんて入ってすぐに頭おかしくなりかけてたのに。
なんかスーパーパワーに目覚めていて、それでゴーストを治療しちゃうというのもご都合主義的。
まぁファミリー・ムービーだから悲しいことや難しいことは抜きにして楽しもう、という趣旨なのはわかるが…。
『インフィニティ・ウォー』が世界を巻き込む超大規模な戦いだったので、本作では世界の命運とか全然関係ない超小規模な物語にしてみた、という意図はわかるし、『アントマン』にはこのぐらいのお話のスケールが丁度良いと思う。
ギャグが満載なのも『アントマン』シリーズらしくて良い。
でもスケールが小さいからと言って物語をつまらなくして良いというわけではないし、ギャグが面白いからと言って映画自体が面白くなるわけではない。
本作は完全なるサイド・ストーリーだったので、わざわざ『インフィニティ・ウォー』の後に公開した意味がわからないのだが、『エンドゲーム』を観ればその理由がわかるのかな?
とにかく、『エンドゲーム』は目前!量子の世界に取り残されたスコットは一体どうなる!?