「内容を盛り込みすぎで登場人物に魅力ゼロかつまったく怖くないので見るのが苦痛」来る 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)
内容を盛り込みすぎで登場人物に魅力ゼロかつまったく怖くないので見るのが苦痛
「告白」の中島監督と松たか子、黒木華、妻夫木聡、岡田準一と豪華メンバーを揃え、原作はホラー大賞と何ともスゴイ要素が揃った映画ですが、いや~いただけなかったですねえ。
始めの妻夫木、黒木パートは延々と結婚式を描きますが、これが何とも軽薄かつ退屈極まりない。その後の2人の生活も登場人物が上っ面だけの人間で魅力ゼロな上、友人、会社等の人間関係もスカスカで、それをあたかも誇張するかのような鬱陶しいBGM。はっきり言って見ていることが苦痛です。
妻夫木と友人の学者が居酒屋で飲むシーンは、多数の客が呑み交わすシーンを意味もなく工夫を凝らしたつまらないアングルで取っているので、開いた口が塞がらない。
岡田、小松の登場する除霊パートに入っても、いかにも一癖も二癖もありそうな2人だったのですが、ろくに力のないことがすぐにバレてしまいます。あっさり看板倒れしてしまうので活躍を期待したこちらは呆気にとられてしまう。
霊がやってきて凶悪な振舞いに及び何人も死んでいきますが、登場人物にも人間関係にも魅力がなく興味を惹かれないので、まったく怖くありませんw
妻夫木も黒木も死んで、松がメインで出てくると、ようやく本格的な除霊に取り組むわけですが、そもそも霊が怖くないので、除霊の儀式と称して盛大なセットを組み立てて、松がオドロオドロシイ呪文を唱えても「何だかなあ」という感じで、見る側はひたすら盛り下がるばかり。
さらに、岡田、小松の子供大事という余計な要素まで持ち込んで、それが除霊をゴチャゴチャにするに至っては、もうたくさんという頃、ようやく映画が終わってくれるのでしたw
まとめると、①内容を盛り込みすぎ、②松以外の登場人物に魅力がない、③日常生活の描き方が軽薄すぎる、④まったく怖くない、⑤BGMが鬱陶しい――。見ていて苦痛な映画です。