「「ぼぎわん」は来なかった」来る 変リクセンさんの映画レビュー(感想・評価)
「ぼぎわん」は来なかった
クリックして本文を読む
原作「ぼぎわんが、来る」は既読。
傑作とまではいかないが、普通に楽しめたので
映画化されると聞いて楽しみにしていた。
しかも監督は中島哲也氏。映画「告白」を原作未読のまま劇場で鑑賞し、度肝を抜かれた体験をした身としては
否が応でも期待値は高まった。
そしていざ鑑賞してみたが…
これは原作を読んでいたからなのか、
はたまた期待し過ぎていたからなのか―。
観終わった後、残念というか失望というか怒りというか、
とんでもない感情を抱く結果となった。そしてタイトルから
「ぼぎわん」が葬られた理由もわかった気がした。
恐らく中島監督は原作を読んで興味を持ったのは
小説で描かれた「家族」になりきれない大人たちや
過去に傷を持った人たちだったのだろう。
「ぼぎわん」は自分にも扱えないか、
もしくは関心が持てなかったのではないだろうか。
だからこそ前半での葬式や津田(青木)との飲み会、
後半でちょろっと比嘉姉(松)に語らせた程度に収めたとすれば
納得がいく。でも、そこは重要視してくれよ…。
あと、冒頭で田原の旦那をすぐ嘘つきとばらすのはダメだと思う。
原作通りにする必要はもちろんないのだが、これだけ改悪する形に
なってしまうのであれば、担当してほしくなかった。
原作者はどう思っているのだろうか。本音が聞きたい。
ちなみに、配役はまあ悪くはなかった。
原作既読組としては松たか子は合っていなかったが、
映画だけで見れば中島監督の要望を反映していたと思うので
悪くは言えない。
また、さすがに映像はポイントポイントで惹かれたので、
非常に勿体なかった…。
コメントする