「『史上最も残虐な悪(ダークヒーロー)、誕生ー』」ヴェノム 葵須さんの映画レビュー(感想・評価)
『史上最も残虐な悪(ダークヒーロー)、誕生ー』
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パッケージにはそうあるが、視聴後の感想としては最も残虐という印象は無い。ヴェノムが残虐さを発揮する場面は人の頭を丸かじりする場面であるが、戦闘中に敵の頭を首からいっきにパクっとするだけで、例えて言えば銃によるヘッドショットのようなものとの印象が強い。首パク以外で残虐さを強調するのはその凶暴な面構えと鋭利な牙であるが、そのアギトが人肉を咀嚼する描写も無い。ビジュアルと首パクがなければダークヒーローの「ダーク」は無くなるだろう(今作以降の展開については考慮しない)。以上が視聴後のパッケージのコピーへの感想だ。
映画への感想は一言でいえば、アメコミ版寄生獣といったところ。主人公を演じるエディブロックを演じるトム・ハーディは個人的に親しみを感じる目をしている俳優なので、今作においてもすんなり感情移入できた。なりゆきは地球外生命体=シンビオートの良個体がエディブロックに寄生しライフ財団に追われ格闘する中で悪個体が物語の合間合間で敵ボスに人を乗り継ぎながら近づいていき(この描写は他のSF作品でも時々みる形だと思う)人類にとって最悪な共生体が最終的に生まれ決着するという形となる。
シンビオートと人間には相性があり、悪ければ人間は死んでしまう、もしくは適合する時間がいると思っていたが、ヒロインのアン・ウェイグ(ミシェル・ウィリアムズ)がさらっと変身して主人公エディのような葛藤や混乱等見せなかったのは尺の都合もあるだろうが違和感が少し違和感があった。
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