「おバカ映画じゃない」パンク侍、斬られて候 denebさんの映画レビュー(感想・評価)
おバカ映画じゃない
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綾野剛さんの「超人的」身体能力と演技力を堪能した。すさんだ感じが似合いすぎ。ワルさ、色気、少年ぽさ、卑屈から蛮勇まで、主人公の多面性を表現しきった。
登場人物がみんな、笑える欠点をさらけ出し、それぞれの卑小な利害に突き動かされる中で、カオスが生まれ、誰も責任をもって対処しないうちに、制御不能な怒涛のうねりとなる。
俳優陣がみな覚悟を決めて、役を生き切り、見たことのない世界を作り出したと思う。映像、音声の技術もすごい。
原作の独特の文体についていけず、約10ページで挫折したが、セリフにしてもらうとわかった。脚本最高。映画で見られて、今の社会に流されて生きることの危険性が伝わる作品だと思った。
猿に「でうす」の名と秀吉なみの風格を与え、危機に際して誰よりもまともな振舞いをしたように見せながら、事態を収拾することなく退場させた意図は何か、まだ考えつかない。
北川景子さんの美しさと踊りのうまさ、終盤の演技にはしびれた。きれいなだけだと思っていてごめんなさい。
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