「寧子は自分の中にもいる」生きてるだけで、愛。 chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)
寧子は自分の中にもいる
予告編を何度もみているうちにとても気になり鑑賞 目覚まし時計がいっぱい並んでいる枕元 病識のある寧子には、今の状態を脱したいという思いが常にあることはよくわかる この数年の間に「就労支援施設」という名の施設が増え、精神障害の方の利用が増えているという そういった障害を前提にした施設ではなく、1回の遅刻でも叱責される普通の職場、普通の社会の中で働く、生きていくには、寧子の症状は「怠惰」で片づけられてしまうだろう それでも社会にとても受けいれられない彼女を応援したくなるのは、自分の中にも寧子が存在するからだと思う スーパーに出かけ、料理を作り、バイトをはじめ、病識のある彼女が自分を変えようとする営みが順調に行くことはむずかしいのだが、こんな思いをかかえている、共感する人は多いのではないかと思う
話題作の続く石橋静河さんの役柄も、津奈木の置かれている立場もギリギリのところで、こういう状態にある人も多いだろうと思う
エンドロールの「協力」というところに引退したセクシー女優の名前があった おそらく本編中スキャンダルの証拠写真として「登場」した彼女だろうが、人間の人生がああいう形で切り取られて堕ちていく、あるいは自分が生き残るために落としていく、そういう社会でみんな生きているのだ (1月6日 イオンシネマ和歌山にて鑑賞)
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