「わかりあいたい、という叫び」生きてるだけで、愛。 のんさんの映画レビュー(感想・評価)
わかりあいたい、という叫び
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最初は、気持ちや言動が理解できず、引いてしまうような時もあった。けれど、よかった。
過眠で朝が起きられなかったり、今日こそは彼に美味しい料理を、と思ったのに何もかも上手くいかず、結局なにもできなくて。程度の差はあれど、これらの気持ちはよくわかった。決して怠けているわけではなく、でも上手くいかない自分に苛立つ気持ちの辛さ。そして、わたしはわたしと別れられないということ。
わたしはいろんなことに折り合いをつけていて、つけすぎてしまっていて、本当の自分の気持ちがよくわからなくなっているな、と思っていたところだったので、彼女の痛すぎるほどのストレートさは少し羨ましくもあり。津奈木もきっと、そんなところに惹かれているんじゃないかな。でも、あの職場での食事のシーンは辛かったなぁ。打ち解けられた、この場所で、と思った矢先のズレ。そして、トイレの外から聞こえる声は彼女の幻聴かもしれないし、本当の声かもしれない。なかなかわかりあえないもどかしさ。自分のこともよくわからないし、他者と本当にわかりあうなんて奇跡のよう。でもその一瞬のために。痛々しくて、でも美しい映画でした。最後の舞うシーン、よかったなあ。
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