「どこに情熱を感じられるのか?前宣伝は控えめに」カツベン! 突貫小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
どこに情熱を感じられるのか?前宣伝は控えめに
今年最後の邦画になろう。
NHKが「いだてん」なる大河をやると言うから、味のある俳優が、殆ど持っていかれてしまった。今年は、邦画サイドは、制作にかなり苦慮したように思われる。しかし「いだてん」もそれなりに評価されるべき作品であったと思われる。宮藤氏には、お疲れ様。今年は、個性的な俳優の逝去もあり邦画サイドは、少し寂しさを感じた。ラストを「カツベン!」で締め括るにしては、成田さんのテレビでの出演数の多さにウンザリ。ピッツァも
食い飽きた。彼の弁士としての努力は凄い!他の人も凄い!作品として「弁士活躍の時代の無声映画のそれなりの良さ醍醐味が感じられず物足りなさ」を感じた。
周防監督の作品は『終の信託』以来である。
キャスティングに不満があるものの、後半殆ど活劇ものの長回しという感じで、どうにか作品に収めた感はあり。箪笥の引き出しあたりから、内容がズレ始めてきていると、笑いながらもガッカリ。青木富夫役を竹中氏が演じている点、音楽といい、小津の旅芸人を扱った。「浮草」のイメージが湧いた。小道具として「キャラメル」の採用は良かった。
さすがに無残に燃え尽きたフィルムをくっつけて上映作品にしてしまう場面は、「不朽の」名作『ニューシネマパラダイス』のようである作品とは、冗談でも言えないし、センス台無し。例として、引き合いに出すのも気が引ける。エンドロールでは、監督夫人の名が…。劇中劇に出演されていたとは。他にズラズラと名の知れた俳優の名前が。監督の親切心からか。これはご丁寧に。共演NGという理由から今年の多忙役者「永瀬正敏」を出演させた点は、「役不足」だと思わざるを得ない。『宮本から君へ』の池松さんの声音には少し「嫌悪感」を感じた。
周防監督の次回作は、自分の嗜好を取り除いた作品を期待したい。