「日本独自の映画文化に触れられる」カツベン! Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
日本独自の映画文化に触れられる
予告に釣られて鑑賞
周防監督の作品はShall We ダンス?
くらいしかほぼ観ておりませんが・・
感想としては
十分面白かったです
日本の映画創生期の雰囲気を
落ち着いて再現された大正デモクラシーな世界観で
味わうことが出来ました
成田凌さんと黒島結菜さんの主人公ヒロインも
フレッシュで良かったです
活弁士という仕事は知っておりましたが
日本にしか無かったとは知りませんでした
厳密に言うとサイレントトーキーは
日本には無かったと言うことになるそうです
伴奏も生演奏
100年前の映画は4DXだったんですね
聞くところによると公開時に併売される
映画パンフレットというのも日本だけだそうで
結構日本独自の映画文化って深いんだなと思いました
撮影風景も音を取らないので映像だけに集中していたり
当然レフ板もないので自然光任せだったりなど当時の
感覚に触れるシーンが見られました
ただ全体的にはそういうシーンより
いつものドタバタコメディ的展開に向いていき
ありきたりな映画として終わっていってしまう
所がやや勿体ない感じがしました
そんなに乱闘シーン長くやる必要ある?
というところがちらほら
年末公開の娯楽寄りにしてしまった感が
ありあり
それよりもっと活動写真の当時の作り手側の
シーンに触れても良かったんじゃないかなと
山本耕史や池松壮亮の演じた実在の映画人達の
エピソードをもっと盛り込んでもと思いました
名のあるキャストが無駄遣いされていくのが
周防作品お馴染みの身内キャスティングもあって
目に付いてしまうのかな
たぶんこの年代を懐かしがって見る人はもう
年齢的にそう映画館来れないと思いますし
今の人には非常に新鮮に感じるテーマだと思いますので
もっと冒険しても良かった気がしますが
十分おすすめ出来ます