「医師の本領とは」たまゆら odeoonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
医師の本領とは
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元参議院議員で医師の土田博和氏が原作・脚本・監督した地方病院の窮状を描いた社会派医療ドラマ。元政治家という意味では病院長から政治家になった「拝啓、永田町(2021)」を撮っているが本作は医師の経験に基づいて撮っていますね。ただ、タイトルの「たまゆら」、少しの間、ほんのしばらくという意味らしいですが、高杉と白鳥との儚い恋愛のことでしょうか、本筋との関係性はよく分かりませんでした。
CAの高杉和代(久保陽香)が暴言を吐く乗客と接する様に感動した地方病院の医院長が高杉に医師、看護師の患者との接触・対応について助言、指導する役割を依頼する。道路で転んで骨折した和代を通りかかった医師の白鳥が親切に処置してくれたことに感動し、病院での職務に就くことに同意、それから静岡の大城病院で働き、様々な問題に翻弄される様子を描いていきます。
病院の医師の数に関する法律(医療法)なんて知りませんでしたが診療所では医師1人が診る患者数に制限はありませんが、病院では、「外来患者40名に対して医師1名」「入院患者16名に対して医師1名」が必要とされていて抵触する場合は病院が閉鎖されると言っていました。その病院の弱みに乗じて金儲けを企む腰掛け医師や紹介業者はまるで詐欺もどき(一応、業者は厚労省の認可が必要らしい)。
後に改心するものの金稼ぎが第一でやぶ医者の平岡、医師免許偽装だったが患者からの信頼の厚い白鳥など、免許は当然だが大切なのは技量なのか人格か、医師の本領とは何なのかと微妙な医師のあり方を問うています。数年後、高杉はまだ務めていましたが平岡が新医院長では大城病院にはかかりたくないな、後味の悪い終わり方でした。
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