コードネーム:ホレッツのレビュー・感想・評価

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4.0日常から動乱に変わる

2020年6月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1960年代、冷戦時代のウィーンとプラハ。オーストリアの売れっ子キャスター、ツィルクは、チェコスロバキアとの共同番組のため、たびたびプラハを訪れる。そこで、新進監督のホンザ、その恋人で美人女優のエヴァと知り合う。売れないホンザを見限る形で、エヴァはツィルクと逢瀬を重ねるように。一方、ツィルクは、チェコ政府保安部のナホディルとも親しくなり、東側では手に入りにくい商品や新聞を贈るようになる。その礼として渡される現金が次第に高額になり、不審に思うようになる。やがて、プラハの春が起こり、それを抑圧するしようとソ連軍が武力侵攻して来る。武力侵攻を正当化するねつ造映像をオーストリアで放送するよう圧力をかけられるツィルク。武力侵攻の生々しい映像を撮影しようと奔走するホンザ。どろどろした男女関係が突然歴史の大事件に放り込まれ、一挙に緊迫する。ツィルクは真実を報道するのか。ホンザとエヴァは、この動乱を生き延びられるのか。
 オープニングクレジットが軽妙な感じだし、初めのうちはツィルク、エヴァ、ホンザの三角関係が中心なので、そういう映画かと思っていたら、あれよあれよという間に「第三の男」みたいな歴史サスペンスに。KGBの計画によって次第にツィルクが罠にはまってゆく過程や、公園でホンザがやらしいピクニックをしていると、おびただしい数の空軍機が飛来し、日常から動乱に変わる過程など、おそろしい。劇場公開されなかったので、日本では知られていないようだが、見て損はない。ただ、過激な裸のシーンがあるので、家族団らんには向かないかも。

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モーパッサン