荒野の誓いのレビュー・感想・評価
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和解
こんにちは、LEOです。
先日、「荒野の誓い」をみてきました。
全く呼び知識なし、予告も見たことない。ただ、公開されてると言うあらすじだけを見て、見に行きたくなった作品となります。
内容としては、昔、インディアンの長に仲間を殺され、その時の心の傷が癒えぬ間に退役となった主人公。
その主人公がある日、その必死に捕まえた長が癌の為、そろそろ里に帰らすために護衛をさされると言う感じで物語がスタートします。
感想としてはかなり最高の作品です。
決して最高のハッピーエンドとまではいかないにしても、最後は掴む物があったのではと言う感じです。
正直7.8月に素晴らしい作品がなかったので、この作品に出会った時は感動しました。
素晴らしい作品となっているのでお時間がある方はみてみてはいかがでしょうか?
あの凍りついたようなベールの瞳が全てを語る
西部劇映画の行き着く先は
しぶい
最近の西部劇ではいないことにされがちなインディアンと向き合った内容。アート作品のようなテンポでうとうとしたのだが、急に緊張が走るアクションで目が覚める。撃ち合いはお互い必死の殺し合いのようなリアルさでスリリングだ。それにしても子どもが殺される場面は心が痛い。インディアンと一口で言っても部族によってさまざまなことが分かる。
互いの罪と正義
潔いくらいに人が死ぬ、登場人物の殆どが特にT・シャラメとB・フォスターの呆気なさが潔い。
静かに淡々とした時間が流れ、急に銃撃戦が起こる場面は凄まじく、全体的に漂う雰囲気が渋い。
序盤、インディアンの残虐性から白人のそれを描写する演出に深い意味合いが。
互いが寄り添い理解し合える関係が築ければ、国や人種間の問題など、争う必要はなくなり。
それぞれに正義があり、罪も根深く互いに被害者であり加害者でもある、アメリカの争う歴史が今を変えているようで、何ら変わらない現実も多少に怖い。
ラスト、二人の元へ戻る姿に哀愁が漂い、ハッピーエンドに進む終わり方ではない何かを背負ったままに。
内省的な話
丁寧で良心的な西部劇
只ならぬ緊張感。
重厚な演技
インディアンとの関係の変化があっけなさすぎて、そんなに簡単に良好になれるならとっくに地上から戦争はなくなっているだろう、と脚本にはツッコミどころはあるものの、そのおかげで「もしかしたらやっぱり裏切るかも」と思ってサスペンスフルな見方をしたからか、飽きることはなかった。映像や音響は重厚で、○ィズニー映画全盛の時代に骨太な映画を観ることができたのは嬉しい。クリスチャン·ベールとロザムンド·パイクの演技は脚本の甘さを補ってすさまじい迫力だった
1600㎞の自分探し
キツイ!暗い!
余命少ないシャイアンの酋長を故郷まで
連れて行く仕事を受けた。
複雑な気持ちだ。戦争とはいえ、ネィテブアメリカンを殺しまくった退役前の大尉。そこに、家族をコマンチに
殺された婦人が加わる。
そこにあるのは、それぞれの正義だが。
お互い協力できなくてはならない出来事が。
暗く、辛い映画だが
観る価値は、ある!
地味だけど見て良かった
共に死に、共に生き続ける。
イエロー・ホークにジョーが言う。「私の一部はあなたと共に死ぬ」。足りてないと思う。「あなたの一部は私と共に生き続ける」。
あまりにも広大で、狩る獲物に事欠くことの無いアメリカ大陸の先住民には「土地を所有する」と言う概念が無かったとされています。所有の概念が無ければ、土地を巡って戦う必要も無い。戦争のために組織化する必要も無い。結果、欧州やアジアの様な「階級社会」の存在しない、完全なる「民主主義」で人々が生活していたのが、コロンブスの時代の事。
モンタナに到着した一行は、土地所有を主張する「地主」に追い立てられます。
「撃て。撃て。撃てよロザリー・クウェイド!」
先住民が戦う火力を持たなかったアメリカ大陸は、南北ともに欧州に侵略されてしまったけれど、あの時戦う事を知っていたら、どうなっとりましたでしょうか、なんて事を考えてしまう場面だった。
人も動物も殺しすぎの北米大陸。「オレ達以外は全部敵文化」の根底にあるのは、キリスト教信者以外はヒトに非ずな教会原理。アメリカって、200年掛けてドンだけ進化したんだろうね。
最後の無銭乗車の仕方がカッコ良くて、嬉しくて、泣けました。
良かった。すごく。
あれ、クリスチャン・ベールって、この間チェイニーやってなかった?中々に社会派なんですね。
原題タイトル、Hostilesに込められた意味
重厚感のある物語だ。
おそらく今観るべきと言って良いかもしれない。
ストーリーの背景は、よく知られたアメリカの歴史、つまり、アメリカ原住民との争いだ。
そして、そのなかで、ひとりひとりの生死や物語が描かれる。
殺し合いの果てに、トラウマを抱え精神を病むもの、殺戮が当たり前のようになるものがいる。
家族を殺されたロザリーは、なぜ復讐心をしまうことができたのか、そんな心の変化も是非感じて欲しい。
「神の試練に耐えられなくなることがある。」
いや、違う。試練は人間自身が自らもたらしたものではないか。
「親切をありがとう。あなたの心は私の中で生き続けます。」
そう。世界中に多くの神はいるが、実は神は一人で、私達ひとりひとりのなかにいるのではないか。それは、優しさだったり、道徳心だったり、正義とか公平とか、共生する気持ちだったり、そんなもののひと塊りのようなものではないのか。
「過去に囚われるのはやめよう。私の一部はあなたとともに死んでいく。」
そう、それは、全て忘れ去ることではなく、憎しみや復讐心を捨て去ることだ。
「どんな未来であれ、あなたの幸福を祈ります。」
ジョーは、熊(ベア)の名前を持つ少女にジュリアス・シーザーの本を渡す。神の物語や聖書などではなく、ひとりの人間の物語を。
ロザリーに別れを告げ、立ち去ろうとしたジョーは、思い直して、動き出した列車にそっと乗り込む。
未来は、幸福な未来は、すぐそこにあったのだ。
Hostiles(敵)とは、何だろうか。
肌の色や、民族の違う相手のことだろうか。
自分達と異なる神を奉じるものだろうか。
いや、同じカテゴリーのなかにあっても、自らの利益のために、ルールなど関係なく、他の全てを敵とするものもいる。
敵、それは試練と同じで、人間が自分で作り出したものだ。
困難な時代だ。
だが、振り子は必ず反対に振れると信じている。
ダイバーシティの潮流!?
インディアン戦争後の1892年、ニューメキシコ州フォート ベリンジャーからモンタナ州バレー オブ ザ ベアーに、癌で死期の近いシャイアン族族長とその家族を送り届けることになったブロッカー大尉と一行の話。
インディアン戦争ではインディアン達を殺しまくり英雄視された、インディアンに敵意剥き出しの主人公が、退役前の最後の仕事として半ば強制的に護衛任務を引き受けさせられ展開して行く。
ウエスタンと言っても開拓時代の直後のストーリーで謂わば余韻の時代の話。
とはいえ先住民と白人の戦いを描いている作品ではあるけれど、仲間や家族を殺された直接的な恨み全開の主人公やロザリーの心境の変化があまりにも急激でちょっと受け入れきれず。
黒人のメンバーもいたしとか拘るのが間違いなのか、単に自分が当時の情勢に詳しくないからかも知れないけれどそれも引っかかったし…。
面白くはあったけど、かなりまったり描かれていて、尺の割に余りエピソードが深くもなければ多くもなく、説得力が足りなくテンポも悪く感じてしまった。
美しい
よくぞ劇場公開してくれた、と感謝!
2017年の作品。
事情や経緯は知りませんが、とにかく劇場公開してくれてありがとう、と心から思える映画でした。
この映画の舞台は1892年のアメリカ。
時代背景をイメージするために、鑑賞後に下記の時系列を確認。
・南北戦争 1861〜1865年 武器や物流が発達、銃の命中精度も飛躍的に向上、アメリカが統一国家になり、奴隷制度も廃止された。だから大統領令にそれなりの法的拘束力があり(西部劇ではあるが、力が全ての無法地帯というわけではなかった)、黒人の護送官も存在するし、ロザリーの拳銃も当たるのですね。
・最初の大陸横断鉄道の開通 1869年
・第一次世界大戦 1914〜1918年
国力の増大に伴う社会の成熟や技術的発展などが劇的で、たぶん時代の変わり目にあることが、登場人物たちにもそれなりの影響を与え、変化を受け入れることのできる人とそうでない人とがかなりハッキリと分かれ、対立が先鋭化することもあったのでしょう。
・インディアン戦争のうち、コマンチ族やシャイアン族のいるミシシッピー川の西での戦争 1823〜1890年
1892年という時代、まだまだ戦争の傷跡が生々しい、ということですね。
映画は冒頭から度肝を抜かれます。上記の知識などなくても、あの時代、〝そういうことが普通〟であったということの緊張感が一気に伝わり、映画の世界に没入できます。
人を運ぶことが任務で始まった旅なのに、いつのまにか、人の死を見届け埋葬することが、〝仕事〟になり、その過程で生まれる様々な感情をお互いにぶつけ合い、分かち合っていく。
怒り、悲しみ、慟哭、喪失、悼み、共感、信頼、友情……。
言葉にすると、なんだか陳腐で軽くなってしまう。
少しでも多くの人に、この映画を受け止めて、感じて欲しい。心からそう思います。
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