名もなき野良犬の輪舞(ロンド)のレビュー・感想・評価
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熟成された韓流ノワールが薫る見事な作品
刑務所内でのし上がった生粋の狂犬チンピラ、ジェホは入所したてで血の気の多いヒョンスと意気投合する。ジェホは出所後ロシアとのコネクションで薬物密輸を手掛けるコ会長が仕切る組織に戻りヒョンスを迎え入れるが、ジェホを信用していないコ会長、コ会長以下を一網打尽にしようとする警察のチョン主任らが織りなす睨み合いの中で二人の間に芽生えた友情が闇に飲み込まれる。
時制が複雑に前後するドラマ進行で登場人物達の輪郭を浮き彫りにするエモーショナルな演出、冷たく研ぎ澄まされたバイオレンスが鮮烈な印象を残すアクションシークェンス、昭和の刑事ドラマ調な劇伴、緩急自在でスタイリッシュなカメラワーク、ドラマを覆う深い闇を際立たせるかのような繊細なライティング、そして何よりソル・ギョングをはじめとする俳優陣の濃厚な演技。欧州・アジア間で輸出入が繰り返されて熟成されたノワールが鼻腔を容赦なく突き上げる見事な作品。チャラいロマンス要素が一滴も含まれない煮えたぎった男のドラマに冠されたハードボイルド過ぎて卵の黄身がはみ出している邦題も素晴らしいです。
主役2人のキャラクター!
正直、昨今の韓国映画のレベルから言えば上の下と言ったところか。面白いんだけど、シチュエーションにせよ展開にせよ、不自然なまでに作りすぎだと思う。ところどころ新鮮な演出はあったものの。
しかし、なんといっても本作の魅力は主役2人特にヒョンスのキャラクターかと。彼らの魅力あってこそ、不自然な展開も説得力を持つ。
純愛
目新しさはないストーリー、と見ているうち、主人公2人の信じられない信じ合えないはずの関係の、信じたいと思う気持ちに、どんどん引き込まれていく。
騙し合いの仕掛けもほどよく。最後に愛するものを手に掛ける哀しみが心に響く。
キレイなねーちゃんが出てこないのも、話が締まって良かった!こういうタイトな展開に、恋愛要素って、サービスじゃなくて無駄だから
大統領
警務所に収監された若者が看守と密通し受刑者を仕切る男と意気投合して行く話。
目新しさはないものの、話の展開も流れも悪くないが、中盤以降テンポが落ちて少しだれ気味。
要所要所出て来る主任の言動が全てバカっぽ過ぎて引っかかるし。
しかしながら、何処まで知っているか、何処まで信頼し合っているか、どうしたいのか、探り探りの展開と漢臭さにハラハラドキドキ、なかなか楽しかった。
韓国ノワール傑作!
韓国ノワール、新たな傑作の誕生です!
途中、笑いを誘う場面もいくつかあったりしますが、最後は怒涛のクライム・サスペンス、ラストまで結末が読めませんでした。
何といっても名優ソル・ギョングと若手実力俳優のイム・シワン主役二人の名演につきます!
主演2人が演じるからこそ面白い
面白かったなー
イム・シワンとソル・ギョング共演作
マフィアの男たちと刑事たちによる腹の探り合いと騙し合い
最後に生き残るのは誰か
謎解きをしながら観るもよし
思いっきり騙されるもよしなエンターテイメント作
刑務所で出会ったソル・ギョングとイム・シワン
しかし、イム・シワンは警察の潜入捜査官で…
困ったことに、この映画は少しでも話すとネタバレになってしまう
ただ言えるのは、ソル・ギョングが演じた役は彼でないとできないし
イム・シワンもまた、彼でないと意味がなく
この映画は、役者たちの旨味を十分に引き出して生かした映画である
ソル・ギョングは、最初から最後までその表情から真意が読み取れないし
イム・シワンは、野獣の群れに放たれた子羊の役割を演じきる
この世知辛い世の中で、生き残っていくのは誰か
その結末はあまりにも無慈悲なものだった
一粒で二度美味しい。『ハゲタカ』ファンも是非!
時系列が前後するので、観ている途中で「えっ?ってことは、あの時には既に××だったの??」
という驚きが何回も!!
痛いシーンが苦手な私ですが、我慢してでも観る価値アリです!
一度目は予備知識無しで観て、
二度目は裏の心理の演技を堪能。
少なくとも二回は鑑賞したい作品でした。
だって、一度目で騙し合いの裏を知った上で二度目を観ると
“あまりのショックで呆然としている”に見えていた顔が、実は“「してやったり」の気持ちを必死に抑えている”顔だったりするのですから。
そして、名優ソル・ギョングを起用した意味ってそこでしょう!!
一度目の鑑賞では観客へのミスリードを、
二度目の鑑賞では観客が奥深い心理まで読み取れるような演技を要求されるのですから。
そればかりか、三度目でも四度目でも新たな気づきがあるような演技。
いったいどこまでが本心だったのか?
演出も素敵でした。
フィルムノワールな部分がしっかりあって、ファムファタールも…(T ^ T)
アクションシーンのカメラワークは嬉しくなります。特に会長のシーンは映画ファンにはたまりません。
トークショーで作家の真山仁さんのお話が聞けたのですが、「万華鏡のような映画」とおっしゃっていたのが印象的でした。
クルクルと色を変え、形を変える本作をこれほど的確に表現なさるなんて、さすがは作家先生!
また「“あの映画に似ているな”と思った映画好き程、裏切られる」とも。なるほどww
ゴットファーザーが大好きで、韓国映画が大好き。
本作を語るのに、これ程ピッタリの方は居ないと思いました。
韓国映画事情にまで及ぶ熱いトークにテンションが上がって鑑賞出来たのですが、お話の中で聞いたキーワードが鑑賞中に気になってしまったので…出来れば鑑賞後にネタバレOKで先生のお話を聞きたかったです。
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