「今どき珍しい〝女が蚊帳の外に置かれる〟男の美学」ザ・アウトロー 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
今どき珍しい〝女が蚊帳の外に置かれる〟男の美学
なので、グッと来る人には最高の映画かもしれません。
分析的・俯瞰的に考える人には、色々な食材が過剰気味に供給されて結局何が一番美味しかったかわからなくなってしまったフルコースの料理みたいだと思います。
追う者にも追われる者にも愛する家族がいて、それぞれに平凡な幸せや仕事人間にありがちな問題を抱えている。
仕事に臨む姿勢(一般人には発砲しないとか、準備に計画性、緻密さ等がある)は立派。
それでも現実にトラブルは発生するし、それへの対応が出来るか。そこにこだわり(美学)はあるか。
ラストのどんでん返しに的を絞った「ユージュアルサスペクツ」型なのか、男の美学を追求するチャンドラーの世界のような「ハードボイルド」型にするのか、或いはあれこれと要素が詰め込まれているのに鮮やかに知的クライムサスペンスに昇華させた「ソードフィッシュ」型を目指したのか、結果的に中途半端な感じになってしまったのが残念でした。
それでも劇場で楽しむべき、とても満足度の高い作品です。
コメントする