「ロシアの現職大統領への長尺インタビュー集」オリバー・ストーン オン プーチン akkie246さんの映画レビュー(感想・評価)
ロシアの現職大統領への長尺インタビュー集
アメリカ人の著名な映画作家オリバー・ストーン監督によるロシアの現職大統領ウラジミール・プーチンに肉薄したドキュメンタリー作品。2015-2017年の間に撮影されている。
プーチンがオリバー・ストーンとスタッフのことを信頼している。もちろん編集された部分もあるだろうし、国家機密でノーコメントのときもあるが、彼の人生の秘密に迫る長尺のインタビュー集になっている。Wikipediaによると書籍化もされているらしい。
そもそもウラジミール・プーチンについては、日本のメディアでたまに聞く程度の人物像しか持ち合わせて無かった私であるが、よくできたインタビュー集であると思う。徹子の部屋のオリバー・ストーン版。
KGB出身の小柄で抜群の記憶力を備えた政治家。
オリバー・ストーンもプーチンのことをよく研究しているし、国際関係についての知識も相当にある監督であることは経歴や態度からにじみ出ている。だが、アメリカでのプーチンの評判(批判)をベースに質問があり、そこのところは、これまでのオリバーらしい攻撃的な姿勢は変わらない。ここがこのインタビュー集の面白さだろう。
はっきり言ってこの二人の対話の内容は私などにはほぼちんぷんかんぷんである。アメリカやヨーロッパでのプーチンの不人気の理由はよくわからないが、マスコミによるプロパガンダがかなりあるように思われた。
プーチン自身があえて語らない部分もあるので誤解されがちなのだとおもう。
だが、2000年から2020年現在まで20年以上大統領職を務めるこの男の優秀さと、ストーンとそのクルーへの親切さは、しっかり記録されていると思う。
柔道、嘉納治五郎への敬意
少年期、父親のこと
アメリカ大統領選挙への介入疑惑について
ロシアの国民性
インタビューはロシア語で行われており、ストーンは英語でのインタビューなので、若い男性通訳がいるのだが、この通訳部分はかなりきれいにカットされているので、二人がスムーズに対話しているように見える。
この通訳さんは非常に優秀なのだろう。ロシアの最高府に潜入して果敢にインタビューを行ったオリバー・ストーン監督の功績は高いと思う。