奇跡の絆のレビュー・感想・評価
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掘り出し物
思わぬ良作でした。日本人が考える以上にアメリカ、白人と黒人の貧富の差は激しい。浮気の罪滅ぼしに妻のホームレスボランティアを手伝ううちに、知り合ったジャイモン・フン・スーと打ち解けていく。彼女の死後、この実話を書き上げ、各地で二人で講演する。彼女の無償の愛、これはどこから生み出されるものなのだろう。神様がいるとするならば、こういう寛大な心をもったこそ、そうなんだろう。人々の感動を呼ぶし、またそれを大きな寄付で返すアメリカという国の大きさを感じた。
外見だけじゃなく、彼女の本質が見えてくるんだ
映画「奇跡の絆」(マイケル・カーニー監督)から。
原題は「Same Kind of Different as Me」
資産家とホームレスの友情を描いたノンフィクション小説と知って
やや驚きを隠せなかった。
ラストシーン、黒人のホームレス、デンバーの弔辞は、メモを増やしたが、
今回は、この映画をいつまでも覚えておくために、そのホームレスが、
美術館でピカソの絵を観た時の会話を残しておきたい。
彼は、ピカソの絵を観て「(これを描いた画家は)誰だ?」と訊ねるくらい
絵画に対しての知識がないにも関わらず、
「バラバラにした女をメチャクチャに継ぎ合わせたみたいだ」と言い、
「ああ、そのとおりだ、彼は・・」と説明する美術商を横目に
「実際の彼女を見る時とは、違った見方ができる。
外見だけじゃなく、彼女の本質が見えてくるんだ」と感想を述べた。
その感想に驚いたのは、実は彼を美術館へ案内した美術商。
今はたとえホームレスでも、彼の文化的水準の高さに驚き、そして認めた。
また、その例えで「自分が妻の本質を見てこなかったことに気付かされる。
私は、このシーンが一番好きだ。
さらに「(この絵を)美術館が買ってくれてよかった」と喜び、
「俺みたいな人間も1200万ドルの絵をみれるからな」と呟いた。
美術館を、そんな視点で考えたことがなかったから、ますます驚いた。
ピカソの絵の鑑賞の仕方、美術館に対する敬意の表し方、
どれもが、なるほどなぁ・・と思うことばかり。
たまには、こういう映画もいいなぁ。
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