劇場公開日 2018年8月1日

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「変幻自在の浜辺美波を愛でる」センセイ君主 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0変幻自在の浜辺美波を愛でる

2018年8月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

単純

公開からずいぶん経っての鑑賞でしたが、夏休み中の休日とあって、結構な数の観客がいました。しかも、女性ばかりで、わずかにいる男性はカップルでの来場者。しかし、あえて言います。この超絶アウェイの中、男一人きりでの鑑賞だとしても、見るべき価値のある作品だと!

ストーリーは、ラブコメど定番の王道すぎるほどの展開で、原作未読でもまったく問題ありません。観客の予想と期待を一切裏切ることなく、ゴールに向かって突き進んでいく印象でした。これは主人公「さまるん」そのままで、作品全体を通して訴えかけてくるテーマとさえ感じました。おかげで、あれやこれやと先の心配をすることなく、その瞬間瞬間のさまるんを全力で楽しめます。そして気づけば、観客は全員さまるんの味方で、彼女の恋を全力で応援しています。

そんなさまるんをこれだけの愛されキャラとして確立させているのは、もちろん浜辺美波さんの演技です。「君の膵臓をたべたい」の桜良、「崖っぷちホテル」のパティシエ、「賭ケグルイ」の夢子と、与えられた役に応じて変幻自在に演じ分ける、浜辺美波さんの底力を感じました。本作での、もはや顔芸とも言えるほどの振り切った演技は、さまるんの人柄や思いを十二分に伝え、観客の心をとらえて放しません。だからこそ、彼女の恋を最後まで応援したくなるのだと思います。

相手役の竹内涼真くんも、猛牛をひらりとかわす闘牛士のごとき振る舞いがなかなかよかったです。ただ、彼には申し訳ないですが、この役はさまるんの恋愛対象となるイケメンなら誰でもよかったのではとさえ思いました。それぐらい、本作はさまるんこと女優浜辺美波を愛でる一本だったと感じました。

おじゃる