劇場版 幼女戦記のレビュー・感想・評価
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見応え充分の軍記もの
幼女が戦場に出るという奇抜なアイデアに、緻密な軍略を巧みに織り込んだ本格的な軍記ものとして見応えがある。
テレビアニメ版からの続きものなので、映画から入ると事情がわかるづらいだろうが、第一次、第二次大戦をミックスした架空の欧州に、幼女となって転生してしまった主人公が、自分を転生させて神に復讐を誓うという話なのだが、神の存在と血みどろの戦に現実世界の不条理を重ねている作品なのだろう。後方支援で安全に暮らしたい主人公は、いつまで立っても前線から退かせてもらえない。戦果は拡大する一方で、人の争いの歴史は途絶えることはない。
ソ連をモデルにした共和国の酷さがすごい。忖度の連鎖の伝言ゲームで上層部に情報が届いたと時には、崩壊寸前の前線の状況は前向きなものへと変わっている。ロリヤもヒドいキャラだが実際にモデルがいる。現実の戦争もこれぐらいナンセンスなことがまかり通っているのだろう。
二人のメアリー・スー
スター・トレックに登場したメアリー・スーというキャラクターは、魅力的で能力も高くドラマティックなバックボーンを有する。それは都合の良すぎる完璧なキャラクターとしてミーム化した。
日本では「ぼくのかんがえたさいきょうのキャラ」といったところだろうか。
神に愛されすぎて物語のバランスをぶち壊すほどのキャラクターだ。
そんなキャラクターと同一の名を持つ人物との激闘が本作のメインである。
「幼女戦記」の中で神といえば、いやでも思い浮かぶ存在がある。そう、存在Xだ。
つまり、この作品の中に登場したメアリー・スーは、存在Xに愛されたキャラクターとみることができる。
一方で、漫画やアニメでは特に顕著であるが、物語の主人公というのは往々にして「メアリー・スー」なのである。わかりやすく言い換えるならば「幼女戦記」という作品の神(原作者)に愛された「メアリー・スー」こそがターニャ・フォン・デグレチャフなのである。
つまり、存在Xに愛されたメアリー・スーと、「幼女戦記」の原作者に愛されたメアリー・スーであるターニャの激突なのである。
これが面白くないわけない。
とはいっても、存在Xですら作品の神の手のひらの上なのだからゴニョゴニョなってしまうが。
テレビシリーズを観ていなくても楽しめるという意見をどこかで目にした。確かにアクションシーンだけを考えたらそうかもしれない。
しかし物語の点からみると、思いっきりテレビシリーズの続きであるし、何より存在Xのことをよくわからないまま本作を観るのは少々勿体ない気がする。
肝心のメアリー・スーの背景も曖昧なまま観ることになってしまうからね。もちろんどちらの「メアリー・スー」もだよ。
ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐の出世街道
カルロ・ゼン原作の同名ウェブ小説をテレビアニメ化したものの続編。
現在、番組二期制作中と公式サイトにあります。
【ストーリー】
深大なる戦線構築に、かつて攻略は難物だと予言したフランソワ共和国(フランス)残党が独立宣言した南方大陸(アフリカ)戦線で、敵軍首脳部撃破の大戦果を上げたターニャひきいる第二〇三航空魔道大隊——通称デグレチャフ大隊は、ついにライヒ帝国本土(ドイツ)への復帰を果たす。
欧州戦線ではレガドニア協商連合(北欧)を巻き込んだルーシー連邦国(ソビエト)との戦端がひらかれようとしていた。
休む間もなく駆り出された彼らだが、古臭い戦術に拘泥する腹立たしきコミュニストどもの準備していた巨大列車砲を先制して撃破し、デグレチャフ率いる精鋭部隊はそのまま首都モスコーを単独で蹂躙、国歌を歌った上にそれを映像として撮影する。
がら空きのモスコー防衛の際、現地で訓練中だった協商連合義勇軍のメアリー・スーは、上官の命令を無視して単独で迎撃に上がる。
練度と装備のちがいからドンドンと仲間が落とされてゆく中、近接戦闘に持ち込んだメアリー・スーは、ターニャが使っている銃が、自分が前線へとおもむく父、アンソン・スーに送ったものであることに気づく。
ターニャは、メアリー・スーの父の仇であった。
占領各地で帝国へのヘイトが高まり、未熟な隊員たちの足並みを乱す。
そこに襲いかかるのは、面目を潰されたルーシー連邦国の名誉回復に燃えるロリコンコミュニストのロリヤと、復讐に燃えるメアリー・スー。
ターニャを超える恐るべき打撃力で町ごと叩き潰さんとするメアリー・スーの攻撃を、はたしてターニャは防ぎ切れるのか。
さあ、ターニャ少尉(中尉(少佐))の大活躍の時間ですよ。
中身はサイコパスのオッサン、でもガワは幼女の幼女戦記。
お連れの側女(失敬!)ヴィーシャを引き連れ、激烈なる対空砲火をあいまを縫って敵性脅威を叩き落としまくる我らがターニャ。
ですが今回は無敵のターニャを超える莫大なる魔力をもつ暴走娘メアリー・スーが、あわやというところまで彼女を追い詰めます。
アニメながら空戦時のカメラぶん回しの演出は、気持ちいいの一言。
近代〜現代戦の戦後処理への問題も提起しながら、なぜかどんどんと激戦区を転戦させられる幼女(サイコパス中年)の活躍を、どうぞご覧ください。
ちなみに「メアリー・スー」とは、スタートレックのファンダム(同人界隈)で生まれた、二次創作のミーム。
名前の元は、たった15しゃいと半年で大人をもしのぐ能力をもつ女の子軍人ちゃんだそうです。
かわいい。
Huluで掘り出しアニメ
作品その物は知っていたがなかなか見る気になれなくて。
だってあの狂気の表情にドン引きですよ。
でもそれを我慢して見ていくと、その面白さにドはまり。
その勢いで映画も見ました。
迫力とスピード文無し。
第二期もいつになるかは分かりませんがその後の活躍に期待です。
アニメ版をこれから見るなら見るだけ時間の無駄
※アニメ版もすべて見た上で本当に時間の無駄だと思います。
アニメ版の時もというか原作がそうなんでしょうけど、リアリティ要素を入れてるのに俺TUEEEE!!が激しすぎます。
主人公は空を飛ぶ魔法使い部隊、現実で言うなら爆撃機と戦闘機を兼ねた空軍の様なものを率いているのですが、隊員含めてアニメ版から一度も対空砲火でやられる描写がありません。
どう考えても戦略的優位が強い部隊なのにそれに対する対抗策が全く講じられない訳がないのに魔法使い以外は為す術なくやられるだけです。それどころか、場面によっては対空放火すら用意してません。
ただ、それもメルヘンファンタジーにステ振りしていればまだ救えたのですが、建物や乗り物は現実に近いものになっており、戦争の方法もドデカい砲撃をしたりとリアル目にしています。
現実に無理やり魔法要素をねじ込み、それを戦争以外の場所に生かせてないとても残念な作品です。
そして、感情移入しやすいようになのか設定したリアルに近い要素が逆に非現実的で、スベってます。
そして主人公はムカつく偉そうな幼女(中身おっさん)なんて拷問以外に他ならないので、アニメ版も見ないことをオススメします。
アニメ版楽しめた方は楽しめると思います。
てっきり戦争バンザイ映画だと思ってた。
TV版は未視聴ですが異世界かるてっとは視聴していたため何となくはストーリーがつかめていると思います。トンチンカンなこというかもしれませんが怒ってコメントとかに暴言吐かないで。怖いから。
異世界かるてっとに出てたもんだから魔法で戦うものかと思ってたらゴリゴリの戦争ものですね。戦闘シーンはすごく迫力があります。これは映画館で見た人が羨ましいですね。Youtubeで公式が戦闘シーンを切り抜いたものを配信しているので是非ご覧ください。
アクション大好き人間なのでそれだけでも高評価なのですが、ストーリーも素晴らしい。戦争に善悪もないと考えさせられます。友人から話を聞く限りテレビシリーズはターニャ達の強さを見せつけて「ターニャカックイー!」的な作品だったらしいですが映画では他国から見た帝国の恐ろしさなどを描いており大変興味深かったです。戦争映画を見るたびに「戦争ってほんとしちゃいけないなー」と阿保なりに考えています。
ただ中盤が少し退屈だったかなーとは考えちゃいました。
とりあえずいせかる3期までにはテレビシリーズも見ておきたいなー。
ファン向け作品
TVアニメの方は見た。
「どーしてこーなった」が決め台詞の金髪小娘(中身は異世界転生したおっさん)と言う良くある内容。
戦争にまみれた世の中で、平穏とは縁もゆかりもない戦記アニメーション。
主人公等は魔導部隊とか飛行する人間、さらに魔力を込めたライフルで発射する弾丸の攻撃力は桁違いだから、一回でもこの戦闘能力を見たら各国優先して強化していく…そんな世界でこの魔力の部隊を訓練しない国は一方的にやられる。
最新技術によって一方的に踏みにじらるれるのは現実と変わらない。無惨に蹴散らされる兵士は映るが近辺でいる民間人はどうなっているかわからない。
まぁ政治における愚かさを極端な形で見せつける部分をシニカルな笑いに感じられる人はニコニコしながら観られるだろう。
戦争の愚かさも同様に感じられる部分もあるが、
敵と仇を混同するな…とかあるけど、死んでしまえば、その理屈は表面的にしか感じない。
恐らくはブラックコメディに属する筈だが、戦争色は濃く、“解っている”ファンだけが(*-ω-)ウンウンと頷くのが見える気がする。
勝つ側と負ける側がある以上、本当はルール等ない戦争で人を殺すのに善も悪もない。
殺さなければ殺される様な状況を回避するのが政治であるがこの作品の政治はあまり機能しない。
主人公はサラリーマンの如く、超常の力を駆使し戦略をもって戦況をあっさりとひっくり返し、上司の反感を買っている。サラリーマン辞めても同じ事をしているのが馬鹿馬鹿しくて滑稽なんだろうと思うが、私は笑えないのであまり評価を上げる気にならない。
迫力のある空中戦闘シーン
序盤から中盤までダラダラと退屈な戦闘が続いたが、ラストのターニャとメアリーの戦闘はなかなか良かった。
ただ、メアリーの無能な働き者っぷりが凄まじく、個としての力もあるからなおさら悪い。軍隊において一番いちゃいけないタイプの人間だな。
素晴らしいクオリティ
TV版の完全続編なので、観てなきゃ始まらない。
てか、観とけよ。ちゃんと作品調べてから観ようね。
TV版から類を見ないクオリティの作品だったが、映画化する事で、更に極まった感がある。
戦闘もさることながら、ターニャの緩急はホント最高。今作、彼の娘があんなことになっているが、確実に今後も相対するんだろうなぁ。
今後も定期的に制作され続けてくれることを切に願う。
メアリーとの対決シーンが良かった!!
TVシリーズも観ましたが、ストーリー以前にやはり悠木碧の尊大な態度と話し方が苦手で楽しめませんでした(主題歌は好きでよく聴いています)。同じようなシーンの繰り返しですが、メアリーとの対決シーンは印象的でした。
駄作
映像は作り込んでるよね、確かに。でも、
とてもじゃないけどアニメ2期は期待出来ない。
戦争を描いた作品なのに、私的な部分にフォーカスし過ぎた結果、クライマックスに必要な人物、エピソードを省略し過ぎ。
残ったのは雰囲気のみ。
本筋に組み込まれた劇場版
単体として完結した映画ではないので注意
「幼女になって、空を飛ぶ新城直衛」
という野上武志氏のパワーワードでアニメ化前から読んでいた作品
ヤキトリも売国機関も既読、カルロ・ゼン氏のファンといっていい
長編ドラえもん、劇場版コナンのような
劇場版ではなく、完全に本筋
今後地上波で続編放送時にはダイジェスト版放映必須だろう
ストリーミングがされない、BD高いのは残念だな
そう思っていたらabemaで無料配信したので、いいね
作中屈指の名シーン赤の広場蹂躙が映像化されただけで個人的には大満足
難解な内容もかなりわかりやすく説明しているのが好感
映画単体としての評価ではなく、
幼女戦記シリーズの中の1作品の満足度として採点する
劇場で観て正解でした。
インパクトのある作品名に加えてラノベが原作のアニメなので、どうしても多くの方から敬遠されてしまっていそうな作品ですが、これがなかなかハードな内容で面白いんです。
TV版も当然視聴済みで、劇場版も観に行きたいとは思っていたものの、仕事が忙しく時間的に無理かと思っていたのですが、都合が付いたもので観てきました。
結果…やっぱり劇場版だけあって映像は綺麗でしたし音響も迫力あるもので、観て正解でした。
流れとしてはいつもと同じではありましたが、珍しくターニャが危機に晒されたりといつもとは違った展開も有りつつ、戦争や国家、主義や宗教にまで考えさせられてしまう作品でした。
重くなり過ぎる事なく、風刺の効いたユーモアを混じえながら、エンターテイメント性もきっちり確保してくれているあたりはさすがですね。
いろんな意味で二期が今まで以上に楽しみになってきました。
二期の放送がいつになるのかわかりませんが、待ち遠しいです。
ただ、難しい事かもしれませんが、TV版を見てないと話が分からないであろう事がちょっと残念ですね。
それと観に行った映画館ではグッズの販売が無かったのが残念でした。
が、特典の書き下ろしは嬉しいですね。
積んだままになっている原作も読まないと、ですね。
TVシリーズも観て欲しい
TVシリーズを知らない人も楽しめる内容になっていたが、やはりTVシリーズを観て欲しい。
過去を理解してこそ、ターニャの苦悩や憤りに共感でき、感情移入できる。
戦下に描かれる終わりのない欲と怨嗟。
その中で時折見せるターニャの人間的な感情がこの物語に光を与えている。
TV版は未視聴
総集編だと思って見に行ったら違った。TVも見てないし、小説も読んでない自分には少し理解できない部分が多かった。
でも、TV版を見ようかと思うくらいは面白かったかな。
ただ、共産主義者に扱いはこれでいいのかと流石に思った。まあひどい。特にひどいのはターニャの演説。共和国との戦いを「自由」のためと言っていたが、どうみても全体主義の帝国に自「自由」があるとも思えないし、お前が言うなと思ったが、他の人はどう思いながら見ていたのか?
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