「繋ぎの作品」劇場版 幼女戦記 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
繋ぎの作品
映画としての評価ですが、正直ハイクオリティだと手放しでは褒められないかと思います。
元々TVアニメ版のクオリティが高いせいもあって、ちょっとやそっとのクオリティアップでは差が出ないんですよね。
作品は大変おもしろいのですが、それは幼女戦記という作品がもともと持っていたおもしろさなので、映画特有のクオリティはあまり感じられませんでした。
戦闘シーンは棒立ち状態や真っすぐ飛んでいる状態、ハエみたいにブンブン飛び回っている状態での射撃シーンが多く、せっかくの3D戦闘ができる設定を活かしきれていません。
メアリー戦は迫力がありましたが、動画の枚数が足りないのか途中絵が飛び飛びになっていました。
高速戦闘の演出かもしれませんが、そこは映画なんですからきちんと描いて迫力や注意深くみないとわからないぐらい意味のある細かい動きを演出してほしかったです。
日常パートの作画もTV版とほぼ差がありませんし、なら戦闘シーンにもっと力を入れてほしかったです。
つまるところ、「TVアニメを劇場サイズで見せられている」ということですね。
いくつか大人の事情?で演出がマイルドになっているのも残念。
ターニャを素手でフルボッコにしたシーンは同志並みに興奮しましたが、ボカシながらで明確には描かれていません。
残念でならない(同志並感)
他にはターニャが連邦首都を必要以上に蹂躙しましたが、web版においては共産主義者を羽虫のごとく嫌っている描写がそこかしこにあったため納得できるのですが、劇場版ではやはり大人の事情なのかかなりマイルドな表現になっているため何故ターニャがあんなことをしたのか納得できない人がいるかもしれません。
あとフランソワ残党あまりにあっさりやられすぎでは?
あれだけTVアニメ版で「こいつを逃がしたのは致命的」みたいな演出したのに……。
まぁたぶん更なる続編で出るとは思いますが。
幼女戦記の知識はweb版、漫画版、TVアニメ版のものだけでラノベ版の方はありません。
よってメアリーの知識がほぼweb版しかありません。
彼女は狂信者で独善的で神の手先、あくまでターニャの最大の敵(味方にも)という舞台装置でしかありませんでした。
しかしアニメ版と漫画版では彼女は人間臭く、ともすれば王道主人公のような立ち位置にいます。
だからといって今更メアリーに肩入れする気もありませんが、web版との描かれ方の違いがどうなるのか、今後楽しみになりました。
んー、でも彼女はやはり呪詛を吐かれながらFFによって死ぬのがカタルシスを生むと思うので、この結末は変えないでほしいですね(ゲス顔)
TVアニメ1期の続きを劇場版でやるので、てっきり「じゃあ今後は映画で最後まで描くのか?」と思ったら特にアナウンスは無く、続編はTVアニメでやるのか劇場版でやるのかも全く不明。
あからさまに次回に続くという終わり方をしているのにこれは生殺しが酷い。
どんな媒体でも良いので続編はちゃんと制作してほしい。