アニー・イン・ザ・ターミナルのレビュー・感想・評価
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ナイトメア
かなり幻想的な作品 主人公の妄想作品ではないかと感じてしまう。
その全てが夜中の出来事として描かれていることで、これがナイトメア的なニュアンスがあることを示唆しているし、実際にそうだ。
英語タイトルは単に「ターミナル」
一般的には駅や空港またはバスに乗り降りするための施設だが、この作品では「終着駅」をイメージしていることが、物語の内容からわかってくる。
主人公アニーやその他の人物たちから発せられる言葉は「殺し」についてだが、彼らの言動はまるでコントのようで緊張感がなく、現実的でもない。
この真夜中と現実感のなさがより一層物語の幻想感を拡張しているようだ。
登場人物たちにも謎が多いが、少し見ていれば対立軸がはっきりとしてくる。
そもそもこの日本語タイトルとアニーの登場で、彼女が主人公であることがわかる。
そして彼女がターゲットにしたのが二人組の暗殺者 ヴィンスとアルフレッド
「香水が違う」
アルフレッドのこの言葉で、多くの視聴者はアニーが双子であるのではないかと想像するが、そもそも彼女の目的がわからない。
彼女は「仕事」を出す謎の人物フランクリンに依頼し、彼女が幼い頃の国語教師を探し出してもらった。
そうして彼女の復讐劇は終わったと思わせておいたということが、この物語の大どんでん返し部分へとつながっていく。
多くの視聴者は、このある種の推理ものであるこの作品のフランクリンとは、駅の清掃員ではないかと割と早々に気づいていたことだろう。
方々にある監視カメラの映像を見ることができる人物は、彼以外にいない。
一昔まえのように、まったく物語に登場していなかった第三者がフランクリンだったと言われても何の驚きもない。
あの「チャーリーズエンジェル」のチャーリーのように、映像の中に姿を出さないのであれば最後まで出てこないという方法もある。
さて、
大どんでん返しによってこれがすべてフランクリンに対する復讐劇だったことが明かされる。
しかし、
この作品には解釈が難しい部分がある。
そもそもアニーは、告解でフランクリンに仕事をくれというが、すでに他の暗殺者に任せた仕事があると言われた。
そこで彼女は、そのターゲットと他の暗殺者二人分を差し出して見せると話している。
このターゲットとはいったい誰だったのか?
おそらく、そもそもフランクリンにそのターゲットの殺しを依頼したのがアニー(双子の一方がターゲット)だったのではないか?
彼ら二人を指示があるまでホテルで2週間も待機させていたのだ。
ここでさらに疑問が出る。
アニーの功名な計画に関する疑問だ。
フランクリンはターゲット情報を依頼主から受け取り、それをヴィンスに指示する。
同時にフランクリンとヴィンスの会話をアルフレッドに聞かせ、アルフレッドも始末する旨の指示を出す。
ここに明確な理由がない。
ただフランクリンが彼は適格者ではないとしているだけ。
ここが(アニーの計画にとって)ご都合主義になっているんじゃないかと思われる。
アニーはそこに漬け込み、アニーの双子をターゲットとしてヴィンスに狙わせたところに、アルフレッドが裏切るという仕掛けを作った。
一度に3つの殺しを達成するアニー フランクリンの信頼を勝ち取ったのだ。
さらに、
アニーがそこに登場するまで少しだけ時間がかかっている。
これは、彼女が双子だと視聴者に勘繰られないためだろうが、少々ひねくれている。
そして最後にネタ晴らしがあって、フランクリンがロボトミー手術を受けることになる。
死ぬまで苦しめということだろうが、そもそもロボトミー手術は将来のことを思考しないようになるだけで、それは恐ろしいことではあるが、本人が苦しむことにはつながらない。
圧倒的幻想感漂う作品ではあるものの、ひねくれた力業がなければよかったと思う。
映像はきれいだが、それ以外はちょっと…
不思議の駅に迷いこんだアニーなのかな
ビッカビカのネオンの光と大袈裟なセリフ回しから、カラー版「シンシティ」のような雰囲気を感じて序盤はかなり面白く観ていたのだが、気がつくと少し退屈している自分がいた。そのままエンディングまでなだれ込んで、面白かったんだかつまらなかったんだかわからない不思議な感覚になった。
原因を色々と考えてみたけど、多分一番は終盤のギリギリくらいになるまでストーリーがよく分からないことにあると思う。
「謎が面白くする」とは作中のセリフだが、あまりにも謎が多過ぎて何を考えればいいのかさっぱりだし、伏線のようなものもほとんどないので、謎を謎だとすら認識出来なかった。結果、少々退屈してしまう。
答え合わせというか、ラストも取って付けたような唐突さで(一応かすかな伏線はあったが)驚きや衝撃よりも、ああそういう話だったのね、みたいな冷めた感情しか湧かなかった。
そうなると見所はビッカビカの色彩とマーゴット・ロビーの真っ赤なコートと真っ赤な口紅ってことになるが、このド派手な色使いはストーリーを面白くしたり、それこそ肝心の「謎」に絡んでこないので、本当にただ派手にするくらいしか効果がなかった。
それでも星2つは可哀想かなと思うくらいはなんとなくギリギリだけど楽しめたのはオープニングクレジットがお洒落だったからかもしれないね。ちょっと読みにくかったけどね。
綺麗なネオンとナオン
マーゴットロビーちゃん💘
たのしいよね
パズルの解
カリコレの一本として鑑賞。
予告編によると、どうもいわゆるノワールもので、殺し屋の話らしい程度の知識だけで劇場へ。
冒頭~中盤まで、すごくかったるい。
会話劇ばっかりだし、まだるっこしい展開だなぁ。
たしかに画面作りは凝っているけど、早く殺せばいいのに、何のタイミングを計ってるんだろう?、と疑問符ばかり。
正直、眠気がくらいの退屈さ。
どこかで過去に観たようなシーンも多々あり。
ところが、後半に突然一転。
あのシーンはここの伏線だったのか!
あの繋がらないセリフはこういう意図だったのか!
基にしたあるファンタジーの表紙が出てきて、そうだったのか! と 。
と、様々な違和感が、パズルのようにバシバシハマっていき、最後は「ヤラレター」となった。
ウサギ
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