「キャストが豪華、というだけの映画」食べる女 半田さんの映画レビュー(感想・評価)
キャストが豪華、というだけの映画
8名の名の知れた女優を起用、という話題作とのことで試写会に当選したので見に行きましたがこの映画にお金を払わずに済んでよかったです。私には合わず拍子抜けでした。原作は未読です。
主軸であるだろう小泉今日子さん演じるキャラに何かアクションが起きるわけでも起こすわけでもなく、しいて上げればラストに同居人が増えた位でその経緯も心理描写も実に安易で簡素。
事情を抱えた女性たちに焦点を当てたオムニバス形式なのかと思いきや、あっちこっちキャラに話が行き来しながら進んでいき、キャラ同士繋がりがあるとはいえ女優8名だけでなく小学生の女の子2人も加わるので話が散らかってる印象を受けました。ちなみに男性キャラはほぼお飾り要素です。
それぞれ女性の背景を掘り下げてはいますが、どれも中途半端で共感に至る2~3歩手前で肩透かしを食った感も否めません。
この映画は「料理」と「セックス」がテーマらしく、作中シャーロット・ケイト・フォックス・沢尻エリカ・広瀬アリス各々のセックスシーンが登場します。が、そのシーンが微妙に長い。他の映画でも偶に濡れ場はありますが、テンポよく進む他の作品に比べこちらはテンポを崩し気まずさを覚える半端な長さ。この濡れ場必要あった?事後描写でもよくない?という疑問を抱きます。
いくらセックスもテーマにあるとはいえ、濡れ場の長さが蛇足に感じせっかくの女優さんの頑張りが勿体ないです。
誰かと見に行く予定の人は相手を選んだ方がいいかもしれません。
セックスに至る経緯は様々で、こういう女性いるよなーと思いつつも前述したように人物の背景描写が浅いため共感できず、私にはただ頭も尻も軽い浅はかな女性に見えてしまいました。
"キャラクター"ではなくそのキャラを演じる"女優"に見応えがあるだけで、キャラ自体の魅力は薄っぺらく、女優陣の人気のおかげで映画として成り立ってる気がします。
全体的に起承転結がなく、8人も登場させたことにより広がっていった風呂敷を畳むことなくがっと丸めて小さく纏めた感じの映画です。感動はありません。
スイーツ女子、とまでは言いませんが恋愛に熱心な方やあまり深く考えず雰囲気だけ楽しみたい方には向いているかもしれません。人を選ぶ映画だと思います。
猫のしらたまはとても可愛かったです。