劇場公開日 2018年3月24日

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「教科書の様な映画」ミッドナイト・ランナー tktさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0教科書の様な映画

2020年6月1日
iPhoneアプリから投稿

ここにおける教科書の表現は、映画の教科書の様な!との意味合いではなく道徳の授業の様なの意味です。

まず映画としては、笑いどころもあって見やすいです。
敵の溜まり場に進入したの時の携帯電話のくだりは、笑ってしまいました。
アクションシーンは派手では無いが、そこがとても良いです。主人公達は、ベテランではなくてあくまで素人に毛が生えた程度。その中で、ただ頑張る。与えられた知識と道具で乗り切る。その結果、痛い目にもあう。このリアリティが、とても共感を得ました。

そして人して。自分は、自分が気づいた事に対して何か役立つことが出来ないか一生懸命考える主人公2人の姿勢に涙がでました。
半人前だから出来ることが出来なかったり、身分証明が無いから話を聞いて貰えなかったり。肩書きに左右される場面ばかりなのですが、自分の仕事に置き換えると多分にその様なことは多分に有る訳です。
それでも、二人はちゃんとやるべきことをやっていて。

やはり、特訓シーンはアガりました。ただ、強くなるためではなくて、理由があって目的がある。次の機会に備えて準備をしている。途中の特訓シーンで主人公二人は黙々と鍛えますが、他の学生はただの日常をこなしている。
この様なシーンを観るだけで(若者ががんばっているだけで)涙が頬をつたわります。

最後にミッドナイトランナーの題名に関する解釈が好きで。
深夜中二人は街を駆け回ります。それが題名なのだと思っていましたが、先生のラストの言葉。
自分の解釈は、ミッドナイトに走る人ではなく、昼夜構わずに走れる人、または走ろうとする人の話なのかなと思いました。
これは、24時間戦えますか?との意味合いではなくて、自分が出来る可能性を信じることなのだと考えます。

自分にとって初心に戻れながらも、これからの人生に必要なひとつの何かを貰えた気がした映画でした。

tkt