「マルクスとエンゲルス2人のお名前です、ナカグロでまとめないで!」マルクス・エンゲルス redirさんの映画レビュー(感想・評価)
マルクスとエンゲルス2人のお名前です、ナカグロでまとめないで!
マルクス、エンゲルス、だけではなく、プルードン、バクーニン、といろいろ登場して、彼らがどんな関係だったのか、どんな人柄だったのか、わかりやすく、かいまみれて楽しい。公開当初映画館で見た。マルクスとエンゲルスがどんな関係かも知らなかったのでおもしろかった。左とも愛妻家で、女性たちは活動家で、陳腐な言い方だが貧困や搾取や弾圧の中にも幸せがあったこともすばらしい。
2021年になり、人新世の資本論を読み始めたのでマルクスが最後まで書かずに終わった資本論のことなど気になり、もう一度ネット配信で鑑賞。
最後の産業革命で鉄道や工場稼働のシーン背景に共産党宣言が印刷されている。
労働者は機械人間だ、機械のつごうで働かされている。
プロレタリアートは奴隷だ。
長い年月を経て、幾多の革命、革命もどき、社会変革、を経て、2021年、いまだに奴隷制も荘園制度もそのままに、健在で、現在奴隷法なんていって、SDGsとか虚しく叫んでもこのような悪いシステムはなくならないどころかより巧妙に維持拡張し続けている。
社会はますます対立する二つの陣営にわかれていく、ブルジョワ階級とプロレタリア階級に。
ブルジョワは個人の誇りを交換価値に変え、
高い犠牲で手に入れた無数の自由を、良心をもたぬ商業活動の自由と取り替えてしまった。
新たな販路を求める欲望でブルジョワは地球を満たす。
世界ではなく地球を満たすという言葉が、マルクス晩年の探究を垣間見せてくれる。ブルジョワの、いまなら超富裕層の欲望。マルクスとエンゲルスの時代は紆余曲折あっても、社会は、世の中は、資本家中心と軍事力暴力中心のシステムはあまり変わらず弊害をそのままに今現在も恥ずかしげもなく続いている。当時と違うのは希望がないことか。
共産党宣言や資本論を読破するのは大変だから、高校とか大学とか、多様性の一環として、課題映画として見たらいいのでは。