「世界を変えようとした青年時代のマルクスとエンゲルス」マルクス・エンゲルス mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
世界を変えようとした青年時代のマルクスとエンゲルス
イギリス産業革命の影響で、経済格差が生まれていた1840年代のヨーロッパを映し出すところから始まります。社会派作品を得意とするラウル・ペック監督による作品。マルクスとエンゲルスが出会って(1844)、2月革命までに書かれたというマルクスとエンゲルスの共著『共産党宣言』(1848)の時期ぐらいまでを描いています。
マルクス、エンゲルスといえば、「資本論の人か」ぐらいの知識しかありませんでした。ただ、この大物2人の名前を掲げた映画、どんな映画なんだろう?と、興味しんしんでした。たとえば、仮に「織田信長・豊臣秀吉」というタイトルの映画があったら、それだけで、お腹いっぱい?になりそうなので、「マルクス・エンゲルス」というタイトルは直接的でかつ大雑把すぎるような気もしますが、結局、何も知らない自分は「おっ」と思って見ることになってしまっているのですが…苦笑。
英語、ドイツ語、フランス語が飛び交い、観念的、概念的、学問的な会話が飛び出し、ヘーゲル哲学だとか、一回聞いただけでは理解できない箇所も多々ありましたが、エンゲルスがマルクスを並々ならぬ情熱と努力でサポートしたというのがよくわかります。映画でも少し触れていましたが、エンゲルスは経済的援助もしていたようです。2人の友情をポイントに描いた映画ではありませんが、エンゲルスなくして、マルクスあらずといっても過言ではないでしょう。
余談ですが、マルクスとメイドの間に子供ができてしまい、マルクスが「認知したくない」とごねたそうです。それで、エンゲルスが「認知」を買って出たらしいです。(というより、マルクスが後生だからとお願いして、マルクス大好きエンゲルスが、しゃーないなあと受けて立ったような気がする)
超天才だったかもしれませんが、マルクスはやんちゃすぎて人格的にはどうなのかな……あまりお友達になりたくないタイプかも。
この映画を皮切りにというのも変ですが、マルクス、エンゲルス、共産主義、資本論など……その辺りの時代のことを題材にした作品があれば見たいなと思いました。
はじめまして。認知について面白いエピソードですね、思想は人間が考えるものだから、人間性、ヤンチャだったり、何か欠ける部分があったり、それこそが人間だし、面白いと思います。