「大いなる力と代償」ワンダーウーマン 1984 ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
大いなる力と代償
2020年のロードショーで鑑賞。
1984年、ダイアナはワンダーウーマンとして、人々を生命の危機から救っていた。助けた人々からは感謝と賞賛を返されるが、ダイアナの心は沈んだまま。65年前にスティーブを失った痛手で、心に穴が開いたままなのだ。
ところが、ダイアナの元にスティーブが甦ってきた。スティーブとの愛を取り戻し、二人で再び、冒険へ旅立つ。
公開を待っていた映画を見ることができて、とても嬉しいです。内容にとても満足しました。後になって2時間半も上映時間があったことに気づきましたが、苦痛はありませんでした。
ダイアナにとっては、スティーブとの二度目の別れを決意するところまでが、ストーリーのクライマックス。
エジプトで、装甲車の車列にスティーブと二人で挑むところが、アクションの最大の見所では。
別れの後の、敵地へがむしゃらに飛行しチーターと戦闘、マックスの力を止めるところは、スティーブとの再会を生んだ舞台装置を終了させるための、仕掛けにすぎないと感じました。
エンディングで、スティーブが愛した空に抱かれるように飛行するシーンは、ダイアナのスティーブを想う心を象徴しているようでした。
ダイアナは一旦はスティーブを取り戻すが、ワンダーウーマンの力の代償として手に入れたもの。
一方でワンダーウーマンには世界を救う力があり、代償にスティーブを諦めなければならない。ただし、世界を救うことはスティーブの願いでもある。
このあたりの葛藤が良く描けていた、と思います。
エンドロールでリンダ・カーターさんが出てきます。彼女も現在に続くワンダーウーマンを作った功労者ですね。明るい笑顔は変わらず、美しくお年を取られたと思いました。