「モンスター・ピエロ、暴れまくれずの巻」IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
モンスター・ピエロ、暴れまくれずの巻
米国メイン州の田舎町デリーで。
再び、殺人事件や児童失踪事件が発生。
27年経ち、かつてのルーザーズクラブの面々が終結するが、ひとり仲間が欠けている・・・
といったところから始まる物語で、原題は「IT: CHAPTER TWO」。
端から2部作として作られていた第2部。
このパターンは『1900年』『愛と宿命の泉』などヨーロッパ映画には時折あるパターン。
ソ連の『戦争と平和』は4部作だ。
だが、ホラー映画では極めて珍しい。
ヒットしたから続編を作り続けるのとは訳が違う。
などと能書きはいいとして、結構愉しめました、って感想だけでもいいかもしれない。
とにかくスティーヴン・キングの小説は長い。
この作品も文庫で4冊、単行本でも上下2段組で2冊。
なので、ボリュームに見合うだけの質量感を持った映画は、そうざらにない。
だから、満足・・・
なのだが、前作ほどの圧倒感はない。
というのも、大人になった面々の回想シーンが随所に織り込まれ、物語を進めるスピード(そもそも速くない)を殺いでいる。
その代わりに重厚感が出ればいいが、そこまでには至っていない。
また、クライマックスの悪漢ピエロ・ペニーワイズとの対決シーンも前作と変わり映えはしない。
これは、27年前の因縁云々があるから仕方がないところではあるのだけれど。
興味深いのは、キング的は「全員が無事では済まない」というビターな味付けは残しておいたところ。
さて、誰が・・・というのは伏せておくとする。
ということで、圧倒的なボリューム感のあるホラー大作として名を残す作品になるかもしれないが、「ま、こんなもんでしょ」的な映画といえばそうかもしれない。