「現実世界でもきっと作れる」マインクラフト ザ・ムービー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
現実世界でもきっと作れる
最近の金脈であるゲームの映画化。またまた大ヒット作が誕生!
3Dブロックで構成されたバーチャル空間で、プレーヤーの好きなように物作りや冒険を楽しむ。『マインクラフト』!
…タイトルや人気や概要は何となく知ってたけど、いつもの事ながら未プレイ。スーファミで止まってるんで…。
北欧発。2011年に発売され、2014年に“世界で最も売れたインディーズゲーム”としてギネスに認定。2023年には世界売上3億本超え。
ちなみに機種の違いはあるにせよ、『スーパーマリオブラザーズ』は“世界で最も売れたゲームソフト”(これもギネス記録)として4000万本なのだから、如何に凄いか…。
その人気は本物だった。公開されるや、世界中で大ヒット。特にアメリカでは、『白雪姫』の大コケで不振だった春興行の救世主に。OP成績は何と『マリオ』超え…! そんなに人気なの、『マインクラフト』って?!
いよいよ日本でもゲームスタート。『コナン』公開直後でさほど盛り上がってないような気がするが、初の『マインクラフト』…略して“マイクラ”の世界に、レッツ・プレイ!
実は見る前は、ブロックで物作りするだけで映画になるの?…なんて思ってた。
何せ未プレイ者、ご堪忍下さい。
ゲームにも様々なモードがあり、映画もそれらを基に、元々ストーリーの無いゲームからオリジナルストーリーを創造。まあ、ベタだけどね。
中年メタボ男のスティーヴは、子供の頃から憧れだった採掘場で青白く光る謎のキューブを発見。そのキューブに触れた途端、異世界への扉が開く。そこは…
何もかもが四角。建造物も生物も。
その四角いブロックで自由に何でも作れる。
不思議な世界、オーバーワールド。
まるで創造主のように色んなものを作り、忠犬ならぬ“忠狼”デニスという友達が出来、この不思議な世界を満喫していたが…、この世界にも危険はあった。
昼はカラフルで穏やかな動物たちばかりだが、夜になると危険な動物やゾンビが動き出す。勿論四角の。
キューブが発動した事により、別世界の扉も開いた。
暗黒の世界、ネザー。
そこの支配者マルゴシャはオーバーワールドの支配も企む。スティーヴの持つキューブを狙う。
スティーヴはキューブをデニスに託し、囚われの身に。
デニスは扉を抜け、現実世界へ。ある所にキューブを隠し…。
かつてはゲームの神童だったが、今は落ちぶれ過去の栄光にすがるだけのしがない中年男、ギャレット。寂れたゲーム店も手離さなくてはならない人生崖っぷち。
ある時古品オークションで、偶然あのキューブを手に入れるも、ただのガラクタと無関心。
母親を亡くし、越してきたナタリーとヘンリーの姉弟。
ヘンリーはクリエイティブな才に溢れるが、田舎の学校では変人扱い。転校早々、トンデモ事件を起こしてしまう。ナタリーは接し方に悩み…。
ヘンリーは偶然入ったゲーム店でギャレットと出会う。ガラクタの中からあのキューブを手にし…。
再び扉が開く。
キューブに導かれるように。ギャレット、ヘンリー、ナタリー、家を紹介した不動産仲介人のドーンは、オーバーワールドへ…。
不思議な不思議な世界に4人はびっくり仰天。
ブロックで何でも作れる事を知り、ヘンリーのクリエイティブな才が活きる。
夜になってモンスターの襲撃にパニック。その混乱の中、キューブを囲っていたケースが壊れてしまい、扉が閉じてしまう。
帰れなくなった…!
帰るには新たなケースを手に入れなければならない。遠く離れた洋館に。
そこに行くには、山を越え谷を越え。モンスターの襲撃やキューブを狙うマルゴシャの手下が追う。
そんな4人の前に現れたのは、スティーヴ。案内人を買って出るが、マルゴシャからキューブを手に入れるよう命令されていた。
元の世界に戻る為や各自(スティーヴやギャレット)の目的の為。
スティーヴも仲間に加わって、マイクラ世界の大冒険!
長々しく書いたが、話は単純明快な冒険活劇。
ユニークな世界、キャラ。オリジナリティー溢れる世界(ゲーム)を創造したもんだ…。
ワクワクアドベンチャー。村に立ち寄ったり、武器を手に入れたり、まるでRPG。
5人の痛快な掛け合い。ユーモアたっぷり。
ベタで子供向けだけど、ゲーム未プレイ者でもすんなり楽しめる。思ってたより面白い。GWにピッタリ♪︎
人気者、ジェイソン・モモアとジャック・ブラックのW主演。だけど二人の役柄がいつもと逆。
ハイテンションなコメディ演技はいつも通りだけど、オーバーワールドの“先輩”なだけあって、単なるトラブルメーカーじゃなくちょいイケイケ頼りがいを見せるジャック・ブラック。
一方のジェイソン・モモアは俺様な言動見せるも、実際はおバカでヘタレ。いつもならタフなのに、キャーキャー悲鳴を上げるモモアが新鮮と言うより何だか可愛い。
類は友を呼ぶ…? 波長合う二人のやり取りが愉快。二人共ゲームの大ファンらしく、楽しそうに演じている。
大人の男二人がおバカなので、子供が活躍を見せる。
ヘンリーの想像力! 勇敢さもあって、フロドの素質あり。
お姉ちゃんも意外な才を発揮。演じたエマ・マイヤーズがキュート。
ダニエル・ブルックスも動物手懐けやツッコミで奮闘するが、ちとインパクト弱かったかな…。
サブキャラではやはりデニス。
穏やかなキャラだけじゃなく、敵キャラもマルゴシャですら何だか憎めない。四角いキャラたちが愛嬌たっぷりの丸みを帯びて見えてくる。
ひょんな事から現実世界にやって来た村人には笑ったね。まさかあの人と…。
たくさんのマイクラキャラ入り乱れてのクライマックスはファンタジー・バトル。
思ってたよりスケールや迫力あり。
だけどお決まりのような合戦になっちゃって、もうちょっとマイクラの世界観やブロックを活かした展開にして欲しかったな…。
想像力を掻き立てるゲームだが、世界観やビジュアルはいいものの、話や展開がちと創造乏しかったのが残念。
だけど、メッセージは普遍。
姉弟愛。
人生崖っぷちからの再起。
オーバーワールドでは何でも作れるが、現実世界では…?
このマイクラ世界での冒険を通して。
友情も夢も人生も。
新たに作る。
壊すより作る。
現実世界でもきっと作れる。
さああなたも、マイクラ世界で想像して現実世界で創造。
レッツ・マイクラ!
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