「宣戦布告」クレイジー・リッチ! U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
宣戦布告
どおにも豪胆といおうか、厚顔無恥と言おうか…凄いスタイルだった。
世界を席巻する中国マネーを背景に置いた話で、大陸お得意のお家騒動でもあるわけだけれど…その立ち位置が難解。
成金である事を自覚しつつ、その成功を大々的にアピールし、同時にその傲慢さをバカにもしてるような二面性が常にあった。
もうオープニングのエピソードからして、反旗を翻している風であり、最早中国の方が上だとの宣言のようでもあった。
なのだが、成金趣味のバカ騒ぎには品位がなく、痛烈に皮肉ってたりする。アメリカを追従し模倣する下品な連中と言わんばかりだ。
作品のカラーはさておき、主題はラブロマンスなわけだ。その障害物として旧体制のような母親が出てくる。この母親の振る舞いがどおにも俺は苦手だ。いや、好きな人は好きなのだと思う。そんなにドロドロとしたモノ持ち込むなよって思うんだけど…きっとファンにはドストライクなキャラなのだと思われる。
むしろ、彼女が居ないと物足りないとさえ言う人もいるだろう。それくらいポピュラーなキャラで、彼女の存在が大陸産映画のオリジナリティを打ち出してるとも言える。
いわゆる、得意とする分野を盛大ににぶち込んで勝ちにきた作品なのだと思われる。
俳優達は皆流暢な英語を使いこなし、自国の言語をも操る。今回はあまり披露される事は無かったがアクションだってお手の物なのだ。皆様一級品だと思われる。
鑑賞中ずっと妙な嫌悪感を抱き、劇場に行かなくて良かったなぁとも思うのだけど、作品として一貫している部分はありで…俺は好きではないのだけども⭐︎4つ。
ネットフリックスではコメディに分類されてんだけど、笑いの要素はあまりなく…ホームドラマとカテゴリーするには規模がデカい。
基本的にはこんな映画を作れるのは、その背景が現実ともある程度リンクしてるからであって、日本ではこおいう機軸の作品は撮れそうもない。そう思えば、これ以上はないオリジナル作品であるとも思える。