「尊厳 >> 愛 > 金」クレイジー・リッチ! bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
尊厳 >> 愛 > 金
ニックを賭けたマージャン勝負???
レイチェル、そんな事言ったか?
この下り、原作とは違うみたいです。
問題のマージャンシーンです。
レイチェルのプライドは、ニックの母エレノアと祖母の言葉に負けて帰国するのだと思われる事が許せませんでした。尻尾を巻いて帰るのではない。何にも増して、私は財産目当ての嘘つきでは無いし、母への侮辱は許せない。
マージャンの前に、卓の他の二人は彼女達の会話が理解出来ない事が告げられます。うるさいマージャン店が、壁の無い密室となりました。レイチェルはニックのプロポーズを辞した事を伝えます。理由はニックに母を捨てさせたくなかったからだと。
レイチェルの手役は「索子(ソーズ)」を使った「混一色(ホンイーソー)」。彼女はローソーを引き当て「和了」。手役が完成し上がりの状態となりますが、上がりを宣言せずに、あえてパーソーを捨てます。パーソーはエレノアの当たり牌。エレノアは上がります。レイチェルは手役を見せ、あえて上がらずにわざと振り込んだ事を知らしめる。欲しいものを、なりふり構わずに取ろうとしている盗っ人呼ばわりされた事に対する、レイチェルの意地の自己証明。レイチェルは母親とマージャン店を後にします。
このシーン、結構しびれました。カッコ良いぞ、レイチェル。
全般に、クオリティ高かった。クチコミ通りの大当たりで満足です!
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追記
「母親を二度捨てる」の意味と、プロローグのホテル買収のエピソードの意味が、やっと解りました。ちゃんと繋がってた。解釈、変わりました!
レイチェルはニックにプロポーズされたことをエレノアに告げマージャン店を面会場所に指定します。それがニックを賭けた勝負である事を察するエレノア。
しかし勝負の途中でレイチェルはプロポーズを辞した事、彼に二度エレノアを捨てさせたくなかった事が理由だと話します。プロポーズを受ける事で一度。家を捨てる事で二度。そうなればエレノアの尊厳は傷つけられます。
レイチェルは上がりを捨てて、あえてエレノアに勝ちを譲った後、手の内を明かし、それがレイチェルの意思による選択である事を知らしめます。
レイチェルが身を引く事でエレノアの尊厳は守られますが、同時に財産目当ての盗っ人母娘と罵られ失った、レイチェル親娘の尊厳も回復出来ます。
昔、ロンドン(?)のホテルで尊厳を傷つけられたエレノアは、シッペ返しでホテルを買収しました。エレノアが重んじたのは尊厳。レイチェルに、ヤン家の嫁は無理だと考えた理由は、彼女ではヤン家の尊厳を守れないと感じたから。
マージャン勝負の落とし前の付け方に若かりし頃の自分を見た気持ちになったエレノアは、ニックに自分の緑色の指輪を持たせ、レイチェルを迎えに行かせる。指輪は、それがエレノアの意思による選択である事をレイチェルに知らせる事になります。
この、ラストのオンナの駆け引き、痺れるくらいにカッコ良い。
クリストフさんへ
コメント、ありがとうございました!
仰る通り、アレは名場面でしたね!結婚よりメンツを取るところが、何よりもメンツを重んじると言われている中国人らしいと思いました。ただ、麻雀を知らない人に意味が伝わるのか?って不安になりましたけどw