心と体とのレビュー・感想・評価
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☆☆☆★★ 夢に登場する鹿のカップル。 一見すると「交尾するのか?...
☆☆☆★★
夢に登場する鹿のカップル。
一見すると「交尾するのか?」…と見えるのだが、特に何もしない。
牛の食肉処理場で働く男。
彼には少々不自由な悩みを抱えている。
そこへ新しく採用された彼女。
人一倍「愛されたい」…との願望を持ってはいるが、その人付き合いの苦手さで周りから誤解を招く。
そんな2人は、夢の中で森の中を彷徨いながら。ひたすら時を過ごす日常の鹿の様でも在る。
映画は演出上に於いて2人の心境等、詳しく説明していない事で、今1つ観客側には伝わり難い状況が発生して部分が多々おり。その辺りが観ていて少しもどかしい。
特に年齢差を越えて惹かれ合っていた…とゆうのが、最後の最後に観客側に分かるのですが。ソレに対する詳しい説明描写は無い。
どちらかと言えば、お互いにお互いを「厄介な人」…とゆう目で見ている様にも映る。
いや!もしかしたら、惹かれ合っていた描写は有ったのかも知れないのだが。だったら寧ろ、演出上で「別に理解して貰わなくても結構!」…と言った感じにさえ受け取れてしまう。
それらの、何故!年齢差を越えて惹かれ合ったのか?等の疑問は。最終的に、観ている観客側の判断に任せたのかも知れないのだが。
お互いに人を愛する事に不器用な2人。
ただただ、「どうしたら良いのか?」分からない日々が過ぎて行く。
そして…。
彼女の絶望が頂点へと達し、遂に決行した《その行為》
だがそれは、彼が不自由を感じていた同じ箇所でも有り、その時にちょっとした出来事が起こる。
それは、何気ない日常が奇跡へと繋がる瞬間でもあった。
2018年4月17日 キネマ旬報シアター/シアター1
彼女を「不思議ちゃん」で片づけないで欲しい。
こんないい映画のレビューがまだないのに驚くが、まあいいでしょう。
いろいろこの映画についてのレビューやらを見受けるけど、概して主人公マーリアを「不思議ちゃん」扱いしている向きがあり、それが残念。できれば、いい女ぶってるとか、恋愛に鈍感とか、そういう視線で見ないで欲しい。はっきり言う、彼女は健常者ではなく、アスペルガー症候群であることを。知能はけして低くなく、むしろ特定の分野において特出した能力を持ち、その分、他人の気持ちを察することが不得手であったり、何かに固執したりする特性があるのが彼ら彼女らなのだ。それに気付けば、定期診療を受けている医師の存在や、一見不可解な彼女の行動が理解できるのではないか。ソーシャルスキルが欠如した彼女は、世間に適応する方法として、人形やぬいぐるみを使ったシミュレーションをして「予習」をするのだ。僕は、それらのシーンを見ながら泣いてしまった。彼女が自分を知っているからこそ、片手の不自由なさえないオッサンのエンドレとの距離を近づける努力が健気なのだ。
たぶん自分の感情さえもコントロールできない彼女は、自然に笑うことなんてしたことがなかっただろう。だからこそ、最後に柔らかい笑顔をエンドレと交わす姿が、とても情熱的にみえた。彼女が自分の心に素直に笑えたからだ。そして、こぼれたパン屑が気になるところが、結局彼女は彼女のままだってことで、こんな彼女をこのまま受け入れられるかなあ?と心配になりながらも、彼女のようやく見つけた幸福を祝わずにいられない気分だった。
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