「上から読んでも下から読んでも“REDIVIDER”」リディバイダー kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
上から読んでも下から読んでも“REDIVIDER”
現実世界では通常の3人称視点、複製されたエコーワールドではウィルの一人称視点、いわゆるPOVで描かれてる。銃撃され何度も瀕死の状態に陥るウィルが痛々しいはずなのに、その痛みが伝わってこないのが難点。
パラレルワールドも超弦理論(超ひも理論)が統合され、自由に作れるようになったという近未来SFなのですが、現実世界がエネルギー危機になったため、複製された世界の電磁から供給してもらうという夢みたいな設定が好きだ。しかし、エコーワールドに行けるのは主人公ウィル一人。
到着すると、有機物がないはずなのに人間がいっぱいいて、しかも襲撃を食らって死者多数。二つの世界のバランスが失われ、巨大船や飛行機がエコーに漂流してくる世紀末的光景をCGで見事に描いていた。あぁ、だからエネルギー会社までもがそっくり転送されてきたんだな?!などと理解しつつも、テロリストの意図がわからない。均衡が保てなくなったからどちらかの世界を破壊しないとならないのに、破壊するのは現実世界だというアジテート。いやいや、有機物ないんだから、食いものないよ・・・
そんなこんなでウィルはエコーを破壊するため“箱”をタワーにセットする任務を受け、まるで『ロード・オブ・ザ・リング』のように塔を目指すのだ。もちろん破壊するのは複製。
現実世界の時間の流れがなぜだか逆転してるため、感情移入もしにくいし、テロリストがエコーにこだわる理由もわからないし、アビーやマイケルがどっちの人間なんだということも混乱させてくれる。せっかく文字が逆転する設定を気に入ったのに、不満を抱えつつのエンディングとなってしまった・・・
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