「よく出来た映画なのは間違いないが隠れた偽善的意図を勘ぐると手放しで称賛は出来ない」人魚の眠る家 resuwisshu311さんの映画レビュー(感想・評価)
よく出来た映画なのは間違いないが隠れた偽善的意図を勘ぐると手放しで称賛は出来ない
ネタバレ
演出、映像、演技など申し分ない印象で、特に篠原涼子の気がふれかかっている母親役はお見事でした。
※ただし元AKBの子はちょっと違和感があった。
しかし、結論としてのあの落ちは脳死からの臓器移植を積極的に推進しようとする巨大組織の意図が隠されているようで、何とも言えないグロテスクなおぞましさを感じないわけにはいかなかった。
まぁそれはあくまで主観的な問題に過ぎないかもしれないが、秘教的密教的な「霊魂論」の観点から脳死→臓器移植に関して興味深い報告をつい最近知ったのでかいつまんで記したい。
端的に言うと脳死はしても心臓が動いている場合、「意識を伴った霊魂」は肉体と結びついている状態であり、その状態で各種臓器を手術で取り除いたなら、霊魂は「おい、私はまだ生きているんだぞ! 内臓を取らないでくれーっ!!」と悲痛な叫びをあげるらしい。(さすがに「肉体的痛み」までは感じないらしいが・・・)
←「肉体的痛みも伴う」に訂正
※生前に臓器移植の意志を示していた人間であっても、実際に臓器を抜き取られる際にはうろたえるものらしい。
勿論そんなオカルトチックな話は「非科学的」とバカにする向きもあるだろうが、ある種の超常体験を少しだけでも経験した人間であれば一笑に付すなどとてもできないものだ。
よって、映画に関してこれは嘘だと感じたのが、脳死・心臓鼓動状態の少女が母親に夢で最後のお別れをした場面。
この場面は映画のエンディング演出としては最高に感動的場面となるのだろうが、先の霊魂論の在り方から個人的には拒否反応が生じてしまった。
※心臓の鼓動が停止後に死者の霊魂が身内などにイリュージョン的に表れるという心霊体験は良く見聞きするところ。
というわけで映画的にはよく出来ていてもあくまで心情的には拒否反応が強すぎたということですね。
マイナス三ツ星
それに、脳死心臓移植はまだ日本では認められていないと認識していたので、それもしこりのような大きな違和感として残された。
投稿後にいろいろ調べてみますよ。
追記:そうか日本でも脳死心臓移植が可能となっていたんだね。
2203-1