「鋭く重いテーマだが、堤幸彦監督作としては上々」人魚の眠る家 AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
鋭く重いテーマだが、堤幸彦監督作としては上々
当たり外れの落差が激しい堤幸彦監督、今回はかなりよかった(ちなみに○は本作と同じ東野圭吾原作の天空の蜂、イニシエーション・ラブ他。×は真田十勇士、BECK等。あくまで私見だが)。
原作のテーマの鋭さも成功要因だろう。臓器移植にからんで脳死か心臓死かの選択を家族が迫られるという日本の現実、医療関係者やそうした経験をした身内がいる人以外はほとんど知らないだろう。
次第にホラー調を帯びる演出も的確。黒沢清監督作の常連、西島秀俊のどこか空虚さを感じさせる存在感(反語めいた表現だが)も確実に効いている。篠原涼子は演技派という印象がないのだが、今回はかなり健闘したのでは。ラスト近くのハイライトでは子役たちも含めシーンにいる全員が熱のこもった名演を見せる。
難を言えば、音楽がやや過剰だったか。
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