「重々しいテーマで2回は観たくないかも」人魚の眠る家 いも煮さんの映画レビュー(感想・評価)
重々しいテーマで2回は観たくないかも
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寝不足の日に観たのに全然眠くならずに引っ張られた120分。観終わってのどっぷり出た疲労感は体調のせいだけではない。
脳死 ➡︎臓器移植と簡単に言うけど自分の身内や愛する人だったら「はい、はーい」とは簡単にサインはできまい。ここにこの映画(原作)の普遍的テーマがある。
誰もが篠原涼子や西島秀俊が演じる母親・父親になり得る可能性がある。
泣けるミステリー と銘打ってはいるが、涙のポイントはあまりなくラストのわかばの独白によるミステリーの解明、死の真相のくだりからが圧巻だ。
母・父、祖母、弟、従姉妹、星野が総出となり、大人の身勝手な欲望と虚構がそれぞれの人物から見え隠れする。(舞台っぽい演出!)
純粋な子どもの事故当時の懺悔によりそこにいる全員が自分の罪に苦しんでいたことを浮き彫りにしていく場面はこの映画の息もつかせぬクライマックスである。
ラストはライティングも穏やかになり、薫子(母)がなぜ脳死の娘を連れ歩いていたかが明かされるという小さなタネ明かしもあり、希望を見出せるエンディングとなっている。このラストに絢香のちょい重い歌声がマッチしていていつまでも残る。
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