「東映の本気! これこそ僕たちが見たかった『ドラゴンボール』だ!」ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
東映の本気! これこそ僕たちが見たかった『ドラゴンボール』だ!
強さを追い求める男、孫悟空の冒険と戦いを描いた大人気アドベンチャーアニメ『ドラゴンボール』シリーズの劇場版第20作。
悟空&ベジータと謎のサイヤ人ブロリーとの闘いが描かれる。
○キャスト
ビルス…山寺宏一。
まず初めに、私のドラゴンボール歴をざっと述べておきます。
原作コミック(全42巻)は読破。アニメはちょこちょこ観ていたというレベル。
『ドラゴンボール超』はアニメ版、漫画版ともに未見。
近年の作品だと『神と神』(2013)と『復活の「F」』(2015)は観た…筈。あまり覚えていない…。
『Z』時代のブロリー作品は、『超激戦』(1993)は未見。『危険なふたり』(1994)と『超戦士撃破』(1994)は子供の頃に観たと思うが、ほとんど覚えてない…。
ゴジータが登場した『復活のフュージョン‼︎』(1995)は鑑賞済みです。
とまぁこの通り、「ドラゴンボール」については熱狂的なファンという訳ではないが90年代に少年時代を過ごした男子としては標準的な知識と愛情を持っているという感じ。
まぁね、もうアクションが凄いのなんのって!正直想像を超えた出来でしたよ!
映画の後半50分くらいはズッーーーーと悟空&ベジータVSブロリーが展開される。
普通の映画ならダレる所だが、この作品のバトルシーンが常軌を逸したクオリティなため、観ていて全く飽きることがない。これって本当に凄いことですよ!
『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)を鑑賞した時、そのあまりに高い映像のクオリティに「日本のアニメーションはもう駄目だぁ…おしまいだぁ…」と思ったものですが、本作を観て考えが変わりました。まだまだ日本のアニメーションも凄いことが出来るじゃん!
製作スタッフの並々ならぬ努力と技術に脱帽しました。
本当に素晴らしいアニメーションを作ってくれて有難うございます!
凄いアクションが観られただけで、ドラゴンボール映画としては💯なわけですが、本作はシナリオもコンパクトながら綺麗に纏まっており非常に良かったと思う。
前半と後半で大きく展開が分かれており、前半では約40年前に惑星ベジータで起きた出来事が語られる。
今まで語られることの少なかったサイヤ人たちの生態やフリーザ軍との因縁などが見られたので、Z世代としてはテンションが上がりました。
パラガスがベジータ一族を恨む様になった原因も視聴者に納得できるものでしたし、物語的に不自然さやご都合主義的なものがなくてなかなかに映画に引き込まれました。
しかし、バーダックの描写に関しては不満あり。
こちとら、あの素晴らしいTVスペシャル『たったひとりの最終決戦』(1990)を観ているのです。
あのバーダックのカッコよさを知っているので、彼をを出すのならもっとカッコ良い活躍を描いてくれないと…!!
あっさりやられたバーダックにガッカリ…。バーダックVSフリーザが観たかったんですけど!😡
ブロリーのキャラ改変に関しては、そもそも以前のキャラをあまり知らないため何とも言い難いですが、かなり良いキャラクターだと思いました。
ただ、パラガスとブロリーの関係性についてはもっと踏み込んで描かないと駄目。
パラガスの末路が自らの過去の行いと同じであるという点は良かったが、結局ブロリーが父親であるパラガスにどういった感情を抱いていたのかわからなかったのは勿体ないですねぇ…。
ゴジータはカッコ良かったし、ソウルパニッシャーがまた見られるとは思っていなかったのでかなり興奮した!
ただ、カラーリングが『復活のフュージョン』の時とは違っており、個人的には前のオレンジ色の方が良かったと思う。
ゴジータVSブロリーの決着に関してはかなり不満。
あれだけ激闘を繰り広げたのだから、やはり最後はきっちりとゴジータの勝ちとして欲しかった。不完全燃焼感が否めない。
あ、チライは可愛かったです。宇宙人フェチに目覚めそう…💕
何はともあれ、ドラゴンボール映画としてはこれ以上ないほどの傑作なのは間違いなし!
普通のしょうゆラーメンを頼んだら味玉付きチャーシュー麺が出てきたくらいの満足度!
ギャグ作家としての鳥山明の能力も遺憾無く発揮されており、笑いあり興奮ありの100分を楽しむことができます!
もしもエンディングテーマが影山ヒロノブの「最強のフュージョン」だったら一億点だったね!
悟空の最後の一言は、くぅー、痺れる❗️✨