「バトルシーンに重点を置いた作品」ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー よもぎさんの映画レビュー(感想・評価)
バトルシーンに重点を置いた作品
ブロリーと言えば映画ドラゴンボールでは過去3回登場した敵キャラで、過去の作品では初登場・2回目・3回目(バイオ)で設定が繋がっていて主人公一行も2回目以降はブロリーの事を知っていましたが、今回はリセットして初対面からのやり直し。
ブロリーの生い立ちから惑星ベジータの過去までかなりガッツリ時間を取って設定を描写してあるので、『ドラゴンボール超のブロリー』のイメージが良く伝わります。
基本設定はあまり変わりませんが、過去作では感情の殆ど無い殺戮マシーンで倒すしか無いやべー奴ってイメージから生き残って欲しいキャラに大きくイメージが変わりました。
ストーリー内容はこのブロリーの生い立ち描写で全て終わって、あとはほぼ全編に渡って戦いっぱなし。
前作『復活のF』では悟飯やクリリン、亀仙人まで戦闘に加わっていましたが、今回戦うのはほぼ悟空+ベジータ・ブロリーのみ。あとはフリーザ様少々にウィスさんがオマケ程度。地球サイドは登場キャラすらこれ以外には殆ど居ない思い切ったキャスティング。
悟飯?出ん!クリリン?出ん!天津飯?知らん!
それによって脇役VS脇役みたいな前座戦や、「このキャラこんなに強くねーだろ…」的なツッコミもなくなり、常に主役VSボス戦が続くハイテンションな上映時間となっています。
悟空もブロリーも叫びっぱなしでセリフの半分がシャウトなんじゃないかってくらいです。
作画はやる気によってクオリティの差が激しい事で有名な東映作品ですが、さすがにバトルシーンは手抜きを感じさせません。派手なエフェクトとカッコいい作画で長時間のバトルシーンを見れるので、バトルシーン目当てなら質も量も大満足頂けるかと思います。
その反動か、バトルの合間の小休止的シーンは思いっきり手抜きでしたが、まぁ時間にすれば5分10分程なので諦めましょう。
過去作品では死亡かそれに等しい状態で終わったブロリーですが、本作ではきっちり生存し、今後の映画かテレビシリーズの新作でレギュラー化すらしそうな待遇です。
今回のブロリーは暴走してる時以外は普通に良いヤツなので幸せになって欲しいです。
難点と言えるのは主に2つで、一つは戦闘BGMのボーカルがクドい事。戦闘前に画面に合わせてキャラ名叫ぶのはプロレスの選手紹介みたいな感じで良いんですが、「かめはめ波だぁぁぁぁ」とか「サイヤパワーだぁぁぁぁ」みたいな事叫んでたのはさすがにやり過ぎですね。鑑賞中も周りから失笑が聞こえてきました。
もう一つはフリーザ様がちょっと小物っぽい。悪の軍団の総帥というよりは、主人公倒せそうな作戦思いついたからちょっかい出しに行くバイキンマンみたいな感じです(声的にも)。
それを含めてもこれだけハイクオリティで尺も長いバトルシーンは見れるなら不満は残りません。バトル作品好きなら必見の出来栄え。
通常版を鑑賞したのですが、これだけバトルシーンが派手で多ければさぞ4DX映えしただろうなと後悔しています。どちらにしようか悩んでいる方は是非4DXで。